暗号資産の委託先管理に関するプラクティス集を公表
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のセキュリティ・システム部会が、暗号資産関連業務の委託先管理の高度化に向けたワーキンググループ(WG)を設立し、セキュリティ対策に関する「プラクティス集」のドラフト版を公表したと10月20日に発表した。
同WGは、ウォレットなどの重要システムの運用や秘密鍵の管理、トランザクション署名管理といった業務の外部委託を対象に、委託先となるシステム事業者のセキュリティ対策に関する実務上の確認観点を整理する。
今回公表されたプラクティス集は、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)の「再発防止点検リストの考え方」など、主に暗号資産交換業者(委託元)向けに策定された既存の文書を、委託先の視点で再整理したものだ。JCBAは、こうした取り組みを業界初と位置づけている。
背景には、委託先を標的としたサイバー攻撃や資産流出事案の発生に加え、交換業者ごとにセキュリティ確認項目が異なり、委託先の評価やデューデリジェンスが非効率になっているという課題がある。
プラクティス集では、セキュリティ管理に関する全347項目を、ガバナンスや事業継続計画(BCP)、再委託先管理、暗号資産特有の「鍵管理・署名運用」など計10領域に分類した。
また、委託先のサービス提供形態を、秘密鍵の保持の有無やシステムへの影響範囲に応じて「保持型」「介在型」「供給型」「参照型」「その他」の5つに区分。各形態に応じた確認項目の参照目安を示している。
付属のExcelファイルには、自社に該当する確認項目を抽出する「セルフアセスメントシート」と、監査などで提示する資料を管理する「確認資料管理台帳」も用意された。
なお、2026年7月に成立・公布された改正金融商品取引法(金商法)では、重要システムの委託先を直接の規制対象とする「暗号資産管理関係業務提供者制度」が新設された。
JCBAは今後、暗号資産交換業者やシステム事業者、監査法人などから意見を募り、同制度に関する政省令・ガイドラインの整備状況や技術・規制環境の変化を踏まえ、プラクティス集を継続的に改訂する方針だ。
なお、WG座長はPwC Japan有限責任監査法人パートナーの須田真由氏が務める。
参考:JCBA発表
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