今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。
12/28~1/3週のサマリー
- 米国・ウクライナ間による首脳会談
- 週次ベースで米株式指数をアウトパフォーム
- BTCおよびETHが米国現物ETFにおいて週次ベースで2週間ぶりに純流入へ
- 米国、ベネズエラを攻撃しマドゥロ大統領夫妻を拘束、政権移行まで運営と表明
暗号資産市場概況
12/28~1/3週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+3.50%の14,226,150円、ETH/JPYの週足終値は同+6.52%の490,195円であった(※終値は1/3の当社現物EOD[1/4 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は年末年始期間で市場参加者が少なく、低い流動性のなか米国に上場されている現物ETFの需給によって乱高下するも週次で純流入となり上昇で週末を迎えた。
週初、ビットコインは短時間で一時90,000ドル台に押し上げた後、86,000ドル台に急落するなど、大きな値幅を伴う荒い値動きを見せた。もっとも、この局面ではマクロ指標や政策関連の材料は確認されておらず、年末特有の市場参加者減少による低流動性が価格変動を増幅させた可能性が高い。実際、高値・安値ともに定着せず、その後は2025年12月中旬から形成しているレンジ内へ回帰しており、持続的なトレンド形成には至らなかった。こうした値動きは、薄商いの中で断続的なフローやストップロスを巻き込んだ、低流動性相場における典型的な動きと言えるだろう。
なお、米国・ウクライナ関係を巡る動きも報じられたが、年末の低流動性環境下ではリスク資産全体への波及は限定的にとどまった。
週央から週末にかけては、暗号資産市場に新規の強材料が乏しい中、相場の方向性は米国のビットコイン現物ETFを中心とした資金フローに左右される場面が目立った。ETF経由の買いが入る局面では下値が支えられた一方、フローが一巡するとETF以外の追加的な現物需要が追いつかず、需給の伸び悩みが意識されビットコインは90,000ドルに届かず失速、上値追いには慎重な姿勢が広がった。ETFフローの増減に市場心理が敏感に反応し、特に米国投資家による資金流入・流出が短期的な価格変動の主因となったとみられる。なおETFフローに関して言えば、米国現物ETFにおいて週次ベースで2週連続の流出後、純流入に転じた。
また年末にかけて史上最高値圏で推移していた米国株式市場では、年初のポートフォリオ調整(リバランス)に伴う利益確定売りが観測された。こうした動きの中、相対的に中長期の成長期待が見込まれる暗号資産市場へ資金が振り向けられた可能性があり、ビットコインは一時91,000ドルを窺う局面もあった。
週末には、地政学的リスク要因として米国によるベネズエラ・カラカスへの軍事行動が報じられた。これを受けビットコインは一時的に小幅下落したものの、その後に実施されたトランプ米大統領の記者会見を含め、市場への影響は限定的にとどまった。
一方オンチェーンデータのCoinbaseビットコインプレミアム指数(下段の同チャートを参照)に注目すると、2025年12月中旬以降はマイナス圏で推移しており、米国投資家による積極的な追随買いは限定的であったことが窺える。一方、直近では同指数のマイナス幅が大きく縮小しており、売り圧力の後退、もしくは米国勢による段階的な押し目買いの兆しと解釈することも可能である。これは、現物ETFフローが再び純流入に転じた動きとも整合的であり、短期的なセンチメント改善を示唆している点は注目に値する。
今後については、年末年始特有の低流動性が解消される中で、米国現物ETFフローや米国投資家の動向が引き続き短期的な価格形成に影響を与えると考えられる。一方、2026年に向けては暗号資産を巡る規制・制度面での進展が期待されており、短期的な値動きとは別に、中期的な投資テーマとしての注目度は維持されている。足元では、米国現物ETFへの資金フローやCoinbaseビットコインプレミアム指数の改善が継続するかを見極めつつ、過度な楽観・悲観に傾かない慎重なスタンスが求められよう。
1) BTC/USD週間チャート(30分足)

2) BTC/JPY週間チャート(30分足)

3)ビットコイン現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格

4)イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格

Coinbase ビットコインプレミアム指数

(coinglass提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
12/28~1/3週の主な出来事

1/4~1/10週の主な予定

【今週のひとこと】 2025年、暗号資産市場の振り返り
2025年の暗号資産市場は価格の面でも制度の面でも大きな変動がありました。
1月は前年のトランプ大統領当選による期待感が残り、BTCは上昇を続け一時109,000ドルを記録しました。
しかし、2月以降はトランプ政権による中国への追加関税(10%)報道を受け、リスクオフに転じます。4月には、ほぼ全ての国に対する10%超の関税や米中貿易摩擦の激化により、一時75,000ドル付近まで下落しました。
その後、4月下旬には貿易摩擦の緩和期待に加え、BTC現物ETFへの資金流入を背景に再び上昇し、10月には126,000ドルまで達します。
しかし、10月10日から11日にかけて、トランプ大統領が「11月から中国製品に100%の関税を課す」と発言したことで米中摩擦が再燃し急落。過去のFTX破綻時(16億ドル)やコロナ・ショック時(12億ドル)を上回る約191億ドルの強制決済が発生し、最大11.8%の下落となりました。
その後は一時的な反発もありましたが、最高値付近まで回復することなく下落基調が続き、11月21日に80,600ドル付近で底を打ちます。その後は85,000~93,000ドルのレンジで横ばい推移し、2026年を迎えました。
結果としてBTCの価格は2025年初よりも下がってしまいましたが、制度や地位は大きく改善されました。
7月にステーブルコインの規制を明確にするジーニアス法が成立し、暗号資産規制の枠組みを定めるクラリティ法案は下院で可決し、2026年1月に上院銀行委員会で修正審議が予定されています。日本でも最大55%の総合課税から一律20%の申告分離課税にする方針が2026年度税制改正大綱で示されるなど、暗号資産を取り巻く環境は着実に進歩しています。
さらに、米国では確定拠出年金(401k)でビットコインが選択可能となり、企業が暗号資産を自社ポートフォリオに組み込む動きも加速。これにより、暗号資産は投機的な商品から、制度化された金融資産として認識されるようになってきています。
2026年はさらなる進展が予想されており、その一つは「現実世界の資産のトークン化」です。
債券や株式、不動産といった資産をブロックチェーン上でデジタルトークン化することで24時間取引が可能となり、仲介者の削減や即時決済により取引コストや時間を大幅に削減できます。同時に成長が期待されるのはステーブルコインです。ステーブルコインもトークン化された資産の一つであり、価値がほか暗号資産より安定しているため、今後様々なものがトークン化されていくにあたり決済手段として活用が期待できそうです。
年始のご挨拶
あけましておめでとうございます。
本号は2026年初のレポートです。
部員一同、市場動向を踏まえたレポートを配信できるよう尽力してまいります。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際しては、「取引約款」、「契約締結前交付書面」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
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暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。