ビットコイン乱高下、イーサリアム「Dencun」完了も大きく動かず、ソラナ(SOL)約30%上昇(暗号資産 市場レポート 3/18号)

今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。

3/10~3/16週のサマリー

  • BTC、連日の史上最高値更新も乱高下の多い展開、単日でのETFへの資金流入金額10億ドルを記録
  • イーサリアムが「Dencun」アップグレードを完了
  • アクティブアドレス数が急増のSolana、円建てでの過去最高値を更新
  • ロンドン証券取引所が暗号資産ETN(上場投資証券)の申請受付開始予定を発表

暗号資産市場概況

3/10~3/16週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比-2.03%の9,881,650円、ETH/JPYの週足終値は同-7.87%の530,485円であった(※終値は3/16の当社現物EOD[3/17 6:59:59]レートMid値)。

先週のBTCは、連日で史上最高値を更新するも、新値を付けた直後に下落を繰り返す乱高下の激しい週となった。

週初イーサリアム現物ETFの進展報道やBlackRock ラリー・フィンクCEOの「BTCはデジタルゴールド」発言を受け70,000ドルをトライするもCME先物オープンと同時に67,000ドル台まで値を下げる値動きの荒い展開からのスタート。11日英金融当局が機関投資家向けの暗号資産ETN(上場投資証券)の上場受付の開始を予定していることが伝わると、海外時間にかけ価格は70,000ドルを上抜け急伸し72,000ドルを付ける。翌日ETFフローが過去最高額の10.5億ドルとなったとことが判明すると、73,000ドル台後半付近まで上昇し、連日で高値を更新する展開。

週末にかけ好調なETFの資金フローを背景に73,000ドル台の高値付近で推移するものの74,000ドル手前で失速、市場予想を上回る米国指標やJP Morganのビットコイン現物 ETFへのネガティヴなレポートを受け、約4.5億ドルの大規模なロングポジションの清算を伴い70,000ドルを割り込み週末を迎えた。

注目されたイーサリアムの「Dencun」アップグレードは無事に完了。従前より期待は高かったものの、市場では既に織り込み済みの印象が強く、実装後の価格上昇には至らなかった。

アルトコイン市場ではSolanaが+29.53%と伸長、16日に円建てで史上最高値を付けた。Solanaチェーンベースのミームコインの世界的な盛り上がりを背景に、アクティブアドレス数が急増していることが好感された格好。週末にかけて上値を重くするBTCとは対照的に、市場の下降トレンドに逆らい堅調な動きをみせた。

今週は19日に日銀政策決定会合、21日に米FOMCが控えている。米FOMCにおいては、24年中に3回の利下げとの政策金利見通し(ドットチャート)が示されている中、利下げ回数の見通しが減少すれば米国の長期金利が一段と上昇する可能性がある。先週の米CPIおよびPPIはともに予想を上回る結果となり、FRBの利下げ期待を後退させている。

日銀政策決定会合に関しては既に15日にマイナス金利政策の解除が市場のコンセンサスになりつつある。日銀植田総裁の定例記者会見でのコメント、特に金融政策のフォワードガイダンスに関心が集まりそうだ。タカ派的な発言があった場合には、為替市場が大きく動くことが想定されるため注意が必要である。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

SOL/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

ビットコイン現物 ETF のネットフローと運用資産残高合計

(緑・赤のバーがネットフロー / 白線が運用資産残高合計)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC先物ロングポジション清算推移(ドル)

(黒 BTC価格 / 橙 BTC先物ロングポジション清算額)glassnode 提供のチャートにて SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

3/10~3/16週の主な出来事

3/17~3/23週の主な予定

【今週のひとこと】株式・コモディティで時価総額世界8位のBTC

先日、ビットコインの時価総額が1.4兆ドルを超え、株式・コモディティ市場での時価総額ランキングで一時「銀(シルバー)」を抜いて8位となりました。(3/17執筆時点では9位) (https://8marketcap.com/)

1位は不動の「金(ゴールド)」、現時点でビットコインの約11倍の時価総額となっています。ちなみに日本株式市場で時価総額1位のトヨタ自動車は37位にランクインしていることから資産規模の大きさがうかがえます。その他ビットコインは「金(ゴールド)」と比べ流動性、換金性が高い、保管場所が不要などのメリットがあり、また供給量が限られているといった共通点から「デジタルゴールド」とも呼ばれています。

企業としてビットコインを保有することで有名なMicroStrategy社共同設立者Michael Saylor氏も先日CNBCインタビューにて金(ゴールド)と比較した場合のビットコインの優位性について述べたうえで「ビットコインは将来的に金(ゴールド)を凌駕する」と強気のコメントを発信しています。

世界中の誰もが容易に利用することが可能なビットコインは、資産としてのグローバルでのシェアが拡大しているのも当然の流れなのかもしれません。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

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SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

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