「そうだったのかブロックチェーン」Ep.19
このポッドキャスト番組では、日銀・金融庁で銀行監督の経歴をもち、現在は周南公立大学情報科学部でブロックチェーンについて教鞭を執る内田善彦と、グルメアプリのファウンダーとして、Web2サービスにブロックチェーンを掛け合わせ、Web3事業を構築したキャリアを持つ酒井勇也、そしてクリプト専門メディア「あたらしい経済」副編集長の大津賀新也の3人が、ブロックチェーンについて今知っておくべきことを紹介します。
第19回となる今回は、これまでの「ステーブルコイン」、「DeFi」の議論を踏まえ、「市場の安定と金融秩序」をテーマに、金融規制が何を守ろうとしているのかを掘り下げました。
まず「リスク」を、事業の継続性という観点から整理しました。今回の議論では、想定外の事象による資本の毀損や流動性の不足で、「事業の継続性が維持できなくなる可能性」に注目しています。
そのうえで、金融規制には「投資家・消費者の保護」と「金融システムの安定」という2つの主な目的があると説明しました。個々の参加者が合理的に行動しても全体では危機に至りうることを踏まえ、経済が「巡航速度」で回り続けることを支える役割を確認しています。
また、危機が起きていない平時にも脆弱性が蓄積しうることや、金融機関・市場のつながりと、時間の経過による変化の両面から、金融システムの安定を捉える必要があることにも触れています。
続いて、ローマ帝国ティベリウス帝の時代から、南海会社・ミシシッピ会社の投機ブーム、ロンドン恐慌、世界恐慌、リーマンショックまで金融危機の歴史をたどりました。与信の過剰な拡大や急な収縮、市場参加者の相互依存が危機につながる仕組みを整理しています。また、資産価格の上昇への期待が膨らむ「バブル」の崩壊と金融危機は、必ずしも同じではないことも確認しました。フィアット通貨そのものが危機の原因とは限らない、という視点にも触れています。
さらに、金融システムの安定は価格を固定することではなく、権利義務や決済、与信の仕組みが「予測可能に動き続ける」ことに支えられると説明しました。規制の目的は損失をゼロにすることではなく、「損失を負担できる主体に負担させる」ことや、決済機能を継続させることにあるとしています。局所的な失敗が実体経済全体に波及するのを防ぐ、という観点を示しました。
最後に、オンチェーンファイナンスはどのような金融を実現したいのかと問いかけました。決済の確実性を高めることと、与信を通じて経済活動を支えることのバランスを議論しています。
次回、第20回は2026年10月6日に配信予定です。金融危機を回避するための考え方と、金融規制の役割を掘り下げます。オンチェーンファイナンスやクリプトを含む、新たな金融取引の仕組みを評価する視点を考えていきます。
公開収録Vol.3 10/1 19:00~開催
なお「そうブロ」では、10月1日19:00より四谷にて公開収録の第三弾を開催予定です!
テーマは「ブロックチェーン事業を行う上での弁護士との付き合い方」です。
今回は、AZX総合法律事務所のパートナー弁護士である原悠弥氏をお迎えし、弁護士先生との付き合い方について「そうだったのか」を掘り下げます。
当日は、「法令遵守について知っておくべきこと」の他、原先生と3人のレギュラーメンバーが、最近の気になるトピックについて、そうだったのかブロックチェーン的な切り口で深掘りします。
ポッドキャストを再生する
以下より番組をお聞きいただけます。再生ボタンから再生ください(クリック後10秒ほどお待ちください)。
出演者
内田善彦
1994~2023年日本銀行。金融研究所・企画役、金融機構局・企画役(グループ長)等。金融機関のリスク管理・経営管理に関して様々な角度から考察を加える。この間、金融庁、大阪大学、東京大学でも勤務。2023年6月〜11月株式会社クエストリー取締役、2024年4月〜12月カシェイ取締役として、web3スタートアップに経営者として参画。現在は、周南公立大学情報科学部教授(2023年6月から)として教鞭を執る傍ら、株式会社サイバーリンクス社外取締役(2024年3月から)としてデジタルIDや電子署名関連のビジネス等を推進するほか、株式会社ゆいづむ代表取締役(2025年10月から)としてブロックチェーン活用に関連するコンサルティングを行う。
Xアカウント:https://x.com/uchida_tomato
酒井勇也
学生時代に株式会社SARAHを共同創業。日本最大級のメニュー特化型グルメアプリ「SARAH」に加え、大手食品メーカー向けの外食ビッグデータサービス「FoodDataBank」を構築した。COOとして累計10億円の資金調達やM&A、PMIを主導。2019年より、SARAHのWeb3化を主導。食・ヘルスケアのデータ管理に特化したレイヤー1独自ブロックチェーン「ONIGIRI Chain」の開発や、トークンエコノミーを構築した。2025年の代表取締役退任を経て独立。現在は、実需を伴うブロックチェーン活用やWeb3事業の社会実装に特化したコンサルティングを展開している。
Xアカウント:https://x.com/skyuya03
聞き手:あたらしい経済 副編集長 大津賀新也
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