もみ合いが続く中、上値が重い暗号資産市場(ビットコイン マーケットレポート 9/29)

もみ合いが続く中、上値が重い暗号資産市場

9月28日のビットコイン(BTC)相場は-1,120ドル(-2.66%)の下落を見せました。価格は41,026ドルでクローズ。9/21日時点の40,000ドル付近がサポートラインとして支持されるかに注目が集まります。

マクロ市場では中国不動産市場の先行きの見えない状況が続く中、米国では長期金利の上昇が続き、暗号資産のようなリスクアセットの買いが集まりにくい状態にあります。暗号資産だけではなく、28日の株式市場はテクノロジー株を中心に、金利と反連動する形で下落を見せています(S&P500は-2%で着地)。

参照:TradingView

世界各国でインフレの兆しが見えている中、コロナ禍による経済停滞への懸念も払拭できておらず「スタグフレーション」突入の可能性もあります。実物経済の回復が今後追いつくのか、今後注目が集まります。

先物市場データ

次に先物市場のデータを見ていきましょう。

ビットコインの先物市場ではOI(オープン・インタレスト)はもみあい状態のまま、年初水準にあります。4月の下落以降、市場の方向性がはっきり決まっていない状態であると言えるでしょう。

ファンディングレートやBuy/Sell比率もOI同様、もみあい状態にあり、買い・売り優勢の判断がつきにくい状態にあります。

ブロックチェーンの動き

次にブロックチェーンの動きを見ていこうと思います。

先週金曜日、中国では全ての暗号資産の事業展開を全面的に禁止する発表をしました。中国での禁止令自体は過去に何度も繰り返されているので価格への影響は比較的大きくはなかったのですが、一方この発表を受け中国本土で顧客をもつ取引所などの撤退する動きが見られます。

以下は取引所Huobiのイーサリアムのキャピタルフローですが、コインの大幅な流出が確認できます。

参照:CoinMetrics

こうして流れでたユーザーが今後市場にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まります。現段階ではdydxのようなパーペチュアルコントラクトを提供するDeFi(分散型金融)に流れているという説が有力です。

同プラットフォームの取引高・プロトコル上の売り上げは24日以前と比べ数日の間に3倍以上急成長しています。

参照:TokenTerminal

ブロックチェーンを分析することで、政治の影響力やユーザーの流れがわかることも、DeFiの面白さとも言えるでしょう。

テクニカル指標

最後に簡易的にですがテクニカル指標を見ていきます。

先週から引き続き、200日移動平均戦、RSI(相対力指数)、MACD(移動平均収束拡散手法)各指標で売り優位の状況にあります。短期的な価格の下落には注意が必要です。

参照:TradingView

著者プロフィール

Haegwan Kim (キム ヘガン)
Coinbase Japan マーケティング部長 兼 事業戦略リード
2010年、英国Warwick大学に在学中、ウェブメディア「Law of Success 2.0」を創刊。ノーベル賞受賞者やForbes500企業CEO含む著名人へのインタビューを実施、世界的注目を集める。Square, Revolutなど国際的なFintech企業の日本市場戦略・マーケティングにおけるマネジメント職を経て、Coinbase Japanに2020年より参画。同社GTM・事業成長戦略、マーケティング、PRなどを統括。Bitcoin開発の世界的ニュースレターBitcoin Optechのアジア担当。

top image/iStock:SlavkoSereda

この記事の著者・インタビューイ

Haegwan Kim (キム ヘガン)

Coinbase Japan マーケティング部長 兼 事業戦略リード
2010年、英国Warwick大学に在学中、ウェブメディア「Law of Success 2.0」を創刊。ノーベル賞受賞者やForbes500企業CEO含む著名人へのインタビューを実施、世界的注目を集める。Square, Revolutなど国際的なFintech企業の日本市場戦略・マーケティングにおけるマネジメント職を経て、Coinbase Japanに2020年より参画。同社GTM・事業成長戦略、マーケティング、PRなどを統括。Bitcoin開発の世界的ニュースレターBitcoin Optechのアジア担当。

Coinbase Japan マーケティング部長 兼 事業戦略リード
2010年、英国Warwick大学に在学中、ウェブメディア「Law of Success 2.0」を創刊。ノーベル賞受賞者やForbes500企業CEO含む著名人へのインタビューを実施、世界的注目を集める。Square, Revolutなど国際的なFintech企業の日本市場戦略・マーケティングにおけるマネジメント職を経て、Coinbase Japanに2020年より参画。同社GTM・事業成長戦略、マーケティング、PRなどを統括。Bitcoin開発の世界的ニュースレターBitcoin Optechのアジア担当。