ホワイトハウス暗号資産評議会のウィット事務局長が退任。CLARITY法案は上院で停滞続く

今後は民間で活動へ

米ホワイトハウスの大統領デジタル資産諮問評議会(通称ホワイトハウス暗号資産評議会)で事務局長を務めてきたパトリック・ウィット(Patrick Witt)氏が退任した。ウィット氏は自身のXで退任を報告し、今後は民間セクターで活動を続ける意向を示した。

米暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」が10月14日に報じたところによると、ホワイトハウス当局者は、ウィット氏の出向期間が満了したと説明した。ウィット氏は国防総省の職員で、ホワイトハウス暗号資産評議会では臨時のポストに就いていたという。後任は明らかにされていない。

また同氏は当初、ジョージア州陸軍州兵の訓練に参加するため、7月に離任する予定だったが、訓練が延期されていたという。

ウィット氏はXへの投稿で、トランプ政権での約2年間を「生涯の栄誉」と振り返った。同氏はトランプ政権の政権移行チームの立ち上げに、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官やリンダ・マクマホン(Linda McMahon)教育長官とともに携わった。その後、国防総省(戦争省)で研究・技術担当次官代理の職務を代行したほか、戦略資本局(OSC)の局長代行を務め、防衛産業基盤の再構築に取り組んだ。

その後、ホワイトハウス暗号資産評議会の事務局長として、米国を「世界の暗号資産の首都」にするというドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の構想の推進に携わった。

投稿ではトランプ大統領に謝意を示したほか、前暗号資産・AI担当責任者のデービッド・サックス(David Sacks)氏を「先見性のあるリーダーであり、師」と評価した。

また、米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長、米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ(Michael Selig)委員長、スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官、米通貨監督庁(OCC)のジョナサン・グールド(Jonathan Gould)長官、ティム・スコット(Tim Scott)、シンシア・ルミス(Cynthia Lummis)、ビル・ハガティ(Bill Hagerty)の各上院議員、フレンチ・ヒル(French Hill)下院金融サービス委員長らにも、ステーブルコイン規制法「GENIUS法」の成立や、暗号資産市場構造法案「CLARITY法」の推進に向けた協力に感謝を表明した。

今後の活動については「近く改めて伝える」とするにとどめ、具体的な活動先は明らかにしなかった。一方、米国の技術発展の「新たな黄金時代」に極めて強気だとの見方を示した。

ホワイトハウスの暗号資産政策を担う主要幹部の退任は、2026年に入って3人目となる。サックス氏は特別政府職員としての勤務期間が上限に達したことを理由に3月に職を離れ、ウィット氏の副官だったハリー・ジュン(Harry Jung)氏も7月に退任を表明している。なお、2025年8月にはウィット氏の前任の事務局長だったボー・ハインズ(Bo Hines)氏も退任している。

一方、ウィット氏が上院での交渉を主導してきたCLARITY法案は、2025年7月に下院を通過したものの、上院では審議が停滞している。

同法案を巡っては、ステーブルコインの利回り(リワード)の扱いを巡る銀行業界と暗号資産業界の対立に加え、トランプ大統領一族の暗号資産事業に関する倫理規定が争点となっている。

9月15日には、法案の審議入りに向けた討論終結動議が上院で採決されたが、賛成49票、反対50票で否決された。民主党議員らは、トランプ大統領の暗号資産事業に関する倫理条項の実効性が不十分だとして反発していた。 

参考:報道
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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