ビットコインの動きは? SpaceXのIPO、Anthropic問題、米イラン間の和平合意進展で(仮想通貨市場レポート 6/15 号)

今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。

6/7~6/13週のサマリー

  • SpaceXが約750億ドル規模のIPOを実施し、上場初日終値は19%高
  • 米国とイランの和平合意への期待が高まった
  • Anthropicが最新AIモデル「Fable 5」「Mythos 5」の提供停止を発表

暗号資産市場概況

6/7~6/13週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+6.03%の10,329,850円、ETH/JPYの週足終値は同+8.13%の270,195円(※終値は6/13の当社現物EOD[6/14 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、BTC の節目水準(BTC/JPY:10,000,000円、BTC/USD:60,000ドル)がサポートになったことや、米国・イラン間の和平合意進展による地政学リスクの後退を背景に、底堅い推移となった。一方で週末には、Anthropicが最新AIモデル「Fable 5」「Mythos 5」の提供停止を発表したことが市場参加者の間で大きな話題となり、AI関連銘柄やAI系トークンへの影響が意識される展開となった。ビットコインをはじめとする主要暗号資産は週を通して堅調に推移したが、週明け以降はAIセクターを中心に新たなテーマ物色が進む可能性も浮上している。

週前半から市場の注目を集めたのは宇宙開発企業であるSpaceXの上場であった。SpaceXは約750億ドルを調達する史上最大規模のIPOを実施し、上場初日には株価が一時30%超上昇するなど強い投資家需要を示した。米国株市場では引き続きM7銘柄の資金は抜けたものの、半導体関連株への資金が再流入し、リスク資産全体に対する投資家心理も改善した。

また、金曜日には米国とイランの和平合意が最終段階に入ったとの報道が相次いだ。市場ではホルムズ海峡の安定化や中東地域の軍事的緊張緩和への期待が高まり、原油価格は下落基調となった。もっとも、和平合意については一部で最終署名時期や詳細条件に不透明感も残されており、市場は引き続き関連報道を注視している(15日早朝に米国-イランの和平合意成立との報道)。

そのような中、週末に発表されたAnthropicの声明がAI市場に新たな不確実性をもたらした。Anthropicは政府指示への対応として、最新モデルである「Claude Fable 5」および「Claude Mythos 5」の提供停止を発表した。AI業界では生成AI開発競争の激化が続いていたが、今回の措置は国家安全保障や輸出規制が先端AIモデルの普及に直接影響を与える前例として受け止められている。

今週の暗号資産市場は、SpaceX上場を無事通過したことや、米国・イラン和平合意の正式署名によるリスクオン、ウォーシュFRB議長が就任後初のFOMCで今回のインフレをどう「定義」するか、およびAnthropic問題を受けたAI関連セクターへの資金フローが大きな焦点となるだろう。

特にAIテーマは2026年の暗号資産市場における主要投資テーマの一つとなっているため、週明けのAI関連トークンの値動きは市場全体のセンチメントを測る重要な指標になると考えられる。G7首脳会議ではAI関連主要企業CEOも参加する見通しであり、AIの進展やオンライン安全性が議論されると見られている。リスクオン環境が維持される場合には、ビットコインを中心とした主要暗号資産の上昇基調継続も期待される一方、AI規制問題が新たなリスク要因として浮上する可能性についても注視していきたい。

1) BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2) BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

3)米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

4)米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

5)米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

6/7~6/13週の主な出来事

6/14~6/20週の主な予定

【今週のひとこと】SpaceXがNASDAQに上場

2026年6月12日、SpaceXが史上最大規模のIPOを経てNASDAQへ上場しました。

同社はTESLAの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏によって設立されたロケット打ち上げ事業や衛星インターネットサービス「Starlink」を展開する世界最大級の民間宇宙開発企業であり、民間主導による宇宙産業の発展を牽引してきた存在です。

今回のIPOでは発行済み株式数130億8,000万株のうち約5%にあたる5億5,555万株を公開し、調達額は約750億ドルに達しました。上場後の株価は終値ベースで160.95ドルまで上昇し、時価総額は約2兆1,000億ドルとなっています。

SpaceXは再使用型ロケットの実用化によって打ち上げコストを大幅に引き下げたほか、Starlinkを通じて世界各地へ衛星インターネットサービスを提供するなど、宇宙関連ビジネスの商業化を大きく前進させてきました。近年では宇宙開発が国家主導から民間主導へと移行する流れが加速しており、同社の上場は宇宙産業が新たな成長セクターとして資本市場から高い期待を集めていることを象徴する出来事といえます。

また、IPO関連資料では同社が18,712BTCを保有していることも明らかになりました。保有規模は同社全体の企業価値から見れば限定的ですが、上場企業としては有数の水準であり、その財務戦略にも一定の関心が集まっています。もっとも、市場の注目はビットコイン保有そのものよりも、ロケット打ち上げ、衛星通信、将来的な宇宙インフラ構築といった同社の成長ポテンシャルに向けられており、今回の上場は宇宙産業の成長と拡大を示す歴史的な節目として評価されそうです。

このレポートについて

国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。

→「SBI VCトレード」はこちら

<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際しては、「取引約款」、「契約締結前交付書面」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。

この記事の著者・インタビューイ

SBI VCトレード

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

この特集のその他の記事