世界初の完全オンチェーン型マネーアプリ「UR」の役割とは?〜 マントルトークンホルダーのみなさまへのレター(2025Q3)

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nori

Mantleトークンホルダーのみなさまへ

Mantleでは、お金の自由と効率を信じています。2025年第3四半期以降は、Mantleにとって、そして進化を続けるグローバルな金融環境における私たちの役割にとって、転換期となるでしょう。

私たちは最近、UR(ユーアー)のローンチを発表しました。URは、法定通貨とステーブルコインのユニファイドアカウントを可能にする、世界初の完全オンチェーン型マネーアプリです。そして、これらの機能を支えるブロックチェーンインフラとして、Mantle Networkは「バンキング機能対応ブロックチェーン」という新たなグローバルカテゴリにおいて、日常生活にクリプトを届けるという私たちのミッションのもと、主導的な役割を担っています。

URはマスアダプションに向けた欠けていたピース

テクノロジーの普及はS字カーブを描きますが、クリプトも例外ではありません。最初の15〜20%のアーリーアダプターは、主にトレーディングアプリケーションや取引所を通じてオンボードされ、初期の投機と自身の技術的理解力によって支えられてきました。次の60%、すなわち大衆にアプローチするためには、私たちはその形態自体を再考する必要があります。

クリプトトークンは、もはや前面に出るべきではありません。それらは、日常生活に自然に馴染むユーティリティを支える存在であるべきです。私たちは、その行動の入り口となるのがバンキング、すなわち支出、貯蓄、そして収益だと考えています。クリプトは、驚くべきメリットを持つ多くのDeFiプロダクトを生み出しましたが、これまで一般層に向けて簡素化されたフロントエンドを必要としてきませんでした。URはこの理念を体現しています。ユニファイドスタックによるアプローチ、すなわちマネーのためのスーパーアプリとして、クリプトを主流に押し上げる存在です。

URは、今日のクリプトアプリケーションの構築方法においてパラダイムシフトをもたらします。URは、オンチェーンで資本を再担保化するだけの単なるdAppではなく、一方向のオフランプしか提供しないDeFiプロダクトでもなく、Web2製品に後付けされたクリプト機能でもありません。URは、ブロックチェーンとグローバルな金融システムに基づくファーストプリンシプルに立脚して、ゼロから設計されています。完全にオンチェーンで稼働することで、URはトラディショナルファイナンスとDeFiを一体化し、統一された体験を提供します。

URは、クリプトにおける「Apple moment」、すなわちユーザー体験と統合における大きな飛躍です。オンチェーンで決済され、完全な透明性とコードレベルのセキュリティを備えることで、URは現実世界の金融の使いやすさと、ブロックチェーンがもたらす信頼性とプログラマビリティを融合します。このフルスタックアプローチにより、フロントにはWeb2で実証されたUI/UXを採用し、バックではDeFiのパワーを抽象化することで、URは次の10億人をクリプトに導くためのゲートウェイとなります。

URのローンチは、シームレスで透明性があり、ユーザー中心の金融エコシステムを構築するという私たちのコミットメントを示すものです。早期アクセス段階ではすでに熱意あるフィードバックが寄せられており、マルチカレンシー資産をシンプルに管理できる点や、ブロックチェーンに裏打ちされた高いセキュリティが評価されています。段階的に展開中のパブリックアクセスは、すべての人にオンチェーンバンキングを届けるためのグローバルなムーブメントの始まりです。

Mantle Networkは「バンキング機能対応ブロックチェーン」

URは、Mantle Networkをオンチェーン上でバンキングサービスを可能にする、目的特化型の垂直プラットフォームへと変革します。URによって、Mantleは「バンキング機能提供のためのブロックチェーン」というオンチェーン金融の次なる領域において主導的な立場を確立します。

URは、支払い、取引、資産(MI4、mETH、FBTCなど)に対するMantleの戦略的フォーカスを統合し、垂直方向に整合させます。さらに、URアプリ、Rewards Station、Bybitローンチプールを含む、Mantleの開発者向けグラント、エコシステムインセンティブ、業界をリードする流通基盤によって支えられています。UR内のすべての経済活動はMantle Networkによって捕捉され、トークンホルダーへの価値還元をさらに促進します。

私たちは、「バンキング機能対応ブロックチェーン」を、ブロックチェーンを伝統的な金融システムに実用的に適用し、現実世界のソリューションを実現するための革新的な新カテゴリとして位置づけています。私たちは、このカテゴリにおける重要な要素として以下を挙げています。

(1)トランザクションをブロックチェーン上に記録することで、リアルタイムでの監査可能性、準備資産の証明、スマートコントラクトを通じた自動コンプライアンスを可能にすること。

(2)伝統的金融(TradFi)のレールとの互換性を持たせることで、フィアットとクリプトの両方に対応した統合アカウントを実現し、オンランプとオフランプの両方を可能にすること。

(3)DeFiの機能を統合し、シームレスかつ抽象化された形で金融機能を加速させること。

この新カテゴリは、TradFiとWeb3の交差点に位置しており、さまざまなTAM(潜在市場規模)にまたがって市場シェアを獲得できる可能性があるため、非常に大きな取り組みであり、膨大な市場機会を秘めています。

出典:McKinsey「Global Payments in 2024 Report」、Magistral Consulting「How Emerging Markets Are Driving Global Lending Services Growth」、BCG「Global Wealth Report 2025」、Citi ReportAmber Group、CoinGecko「2024 Annual Report」、Cryptonews、DefiLlama

Mantle Networkが支えるURで、さまざまなプロダクトを通じて「使う・貯める・増やす」体験を実現

URは、Mantleエコシステムに新規ユーザー、資本、トランザクションを取り込むための主要なゲートウェイとなります。URの中核となるバンキングインフラにおけるすべてのトランザクション(暗号資産からフィアットへの入金、カード決済、為替、個人間送金、銀行振込など)はMantle Network上で決済されます。金融活動をオンチェーンに定着させることで、URは「バンキング機能提供のためのブロックチェーン」としてのMantleの立場を強化し、同時にエコシステム全体におけるオンチェーン活動と価値の蓄積を段階的に促進します。

ローンチ時点で、URは伝統的な決済レール(SWIFT、SEPA、SIC)とMantle Networkを通じた暗号資産レールの双方による資金移動をサポートし、フィアットとデジタル資産間のシームレスな流動性を実現します。ユーザーは、暗号資産での支払いと為替取引を可能にするマルチカレンシー対応のMastercardデビットカードにアクセスでき、決済はMantle Network上で行われます。ステーブルコインのオフランプは、Ethereum、Base、Arbitrum、Mantle Networkの4つのネットワークでサポートされます。

URの追加機能として、フィアットからクリプトへのオンランプ、遊休資産へのネイティブリワード、Mantle Index Four(MI4)やmETH ProtocolといったMantleネイティブの投資プロダクトへのアクセスが、2025年を通じて段階的に提供される予定です。

当初は自社プロダクトのインキュベーションから始めましたが、現在はUR上の金融アプリストアに向けて、開発者コミュニティの活性化に全面的に取り組んでいます。30億ドルのコミュニティ所有トレジャリーであるEcoFund、開発者向けグラントなどにより、この分野へのビルダーの参加を促しています。現在の注力分野は、決済、トレーディング、RWA(現実資産)、DeFi、そして金融と革新的な消費者向けWeb3アプリケーションの交差点です。さらに開発者支援を強化するため、Mantle Network上での迅速なプロダクト開発を支援する「Lightning Grants」プログラムを最近開始しました。

すべての道は $MNT に通ず

Mantleは、フィアットとクリプトを統合するフルスタック体験へと進化しています。URはそのアクセスレイヤーであり、Mantle Networkは「バンキング機能対応ブロックチェーン」です。MNTトークンは、この統合スタックに現在内包されているすべての価値、そして今後成長していくスーパーアプリ・エコシステムから生まれる未来の価値を体現します。

将来のロードマップは野心的です。

Mantle Network:Succinctとのパートナーシップによるzk証明の統合や、現行のGethクライアントと比較して最大2倍の性能向上を提供するRETHおよびREVMの開発といったモジュラー統合によって、コアプロダクトの性能と価値蓄積を強化します。また、MNTステーキング向けに、より持続可能で革新的なリワード源を提供するよう、旗艦プロダクトであるRewards Stationも進化させています。こうした改善により、RFQベースのトレーディングシステムや革新的なRWAプラットフォームといった、プレミア開発者による高ボリュームのユースケースをMantle Networkに呼び込むことが可能になります。

UR:Mantle上でコアとなるバンキングおよび決済インフラがすでに稼働している今、URはフィアットからクリプトへのオンランプ、遊休資産へのリワード、Mantle Index Four(MI4)やmETH ProtocolといったMantleネイティブの投資プロダクトへのアクセスなど、従来型およびクリプトネイティブな金融サービスの提供範囲をさらに拡大していきます。並行して、URはそのバンキングインフラをエコシステムのパートナーに対するサービスとして提供し、プロジェクトがコンプライアンス対応の金融ツールを組み込み、ユーザー体験と内部オペレーションの両面を強化できるよう支援します。

MNTホルダーにとってなぜ重要なのか

このスタック上で行われるすべてのトランザクション、統合、開発者による構築は、Mantleエコシステムの成長に貢献します。

  • オンチェーン活動 → ネットワーク手数料とトークンユーティリティ
  • DeFi利回りとRWAプロダクト → Mantle上に固定された価値蓄積型サービス
  • URの普及 → Mantleエコシステム経由で決済される取引量の拡大
  • エコシステムパートナーシップ → 新たなユーザーフローとMantleインフラに対する持続的な需要

バンキング機能対応ブロックチェーンの標準を築く

私たちのビジョンは常に、「クリプトを日常生活に届けること」でした。URはこの目標の集大成であり、私たちのブロックチェーンがもたらすセキュアでスケーラブルかつ利便性の高い体験を実現する手段です。皆さんの支援によって、私たちは他が追随するようなソリューションを切り拓くことができています。

今後も、皆さんからのフィードバックをもとにURのリーチを拡大し、機能を強化し、この分野におけるMantleのリーダーシップをより確かなものにしていきます。これはほんの始まりにすぎません。

共に、ブロックチェーンが明日の銀行を支える未来を築いていきましょう。

信頼とご協力に感謝いたします。

※この記事は「Letter to Token Holders Q3 2025」の翻訳です。また「Mantle公式日本語Medium」に掲載された内容を再編集したものとなります。

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<本記事について>
本記事はMantleによる寄稿記事です。
本記事は一般的な情報の提供のみを目的としたものであり、いかなる暗号資産、有価証券等の取得、ステーキング、リステーキング等を勧誘するものではありません。また、株式会社幻冬舎及びMantleによる投資助言を目的としたものではありません。また株式会社幻冬舎及びMantleが暗号資産の価値を保証するものでもありません。暗号資産投資やステーキング、リステーキングなどのDeFiの運用にはリスクが伴います。投資やステーキング、リステーキング等を行う際はリスクを了承の上、利用者ご自身の判断で行ってください。

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Translator / Writer / CM
AMA Translator Kudasai
JP Social and Community Specialist at Mantle
BizDev JP Lead at Arkham

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