福岡県のWeb3企業支援、「福岡県ブロックチェーンフォーラム」や県外活動をレポート

レポート「福岡県未来ITイニシアティブ」のWeb3支援

福岡県による産学官連携のIT振興組織『福岡県未来ITイニシアティブ』。同組織は福岡県企業のWeb3領域へ取り組みのサポートにも積極的だ。昨年同組織は、福岡県内外で複数のイベント開催等を実施した。今回の記事ではその取り組みを紹介する。

福岡県未来ITイニシアティブは令和6年7月17日に新たに設立された(写真は同日に開催された設立記念フォーラムの様子)

福岡県ブロックチェーンフォーラム2024

昨年11月28日、eスポーツスタジアム「esports Challenger’s Park」で「福岡県ブロックチェーンフォーラム2024が開催された。

このフォーラムの司会に抜擢されたのはesports Challenger’s Park公式Vtuber「碧生ねの」(twitter.com/aoineno)氏。そして「碧生ねの」の呼びかけで挨拶に登壇したのは福岡県の江口副知事だ。

江口副知事は「本日のフォーラムを機に、福岡県がブロックチェーン企業やエンジニアが集積する一大拠点として、ますます盛り上がっていくことを期待しています」と挨拶し会場を沸かせた。

このフォーラムでは、web3のマスアダプションの実現を目指す博報堂キースリーの重松俊範代表や、ミスビットコインの愛称で知られるINTMAX 共同創業者である藤本真衣氏、日本のWeb3プロジェクトとして大きな成功を収めたNOT A HOTELの大久保貴之氏がトークセッション1に登壇。あたらしい経済の設楽がモデレーターを務め、国内外のWeb3関連事業の動向、日本そして福岡県におけるWeb3関連事業の可能性について、語り合った。

また、トークセッション2では、福岡で活躍されているワーキングハセガワの長谷川社長、まちのわの入戸野社長、プラグテックの舩本代表が、「なぜ福岡でweb3?」をテーマに、ここ「福岡」から生み出されているブロックチェーンを活用した新たなビジネスなどについて講演した。トークセッション2のモデレーターは、福岡県のWeb3関連事業をけん引する一人でもある、株式会社chaintope代表取締役CEOの正田英樹氏が務めた。

この他にも、ブロックチェーン人材育成を目的とした大学生向けのブロックチェーン技術ワークショップの成果発表のほか、福岡県内企業* から本県発のブロックチェーン関連製品・サービスについて発表が行われた。

*登壇企業・団体 

フクオカ・ブロックチェーン・アライアンス 
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合同会社bel(九州NFTラボ)
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合同会社暗号屋
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株式会社chaintope
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株式会社INTLEIR

なお当日は現地来場も70名の定員が満員に達し、同時に行ったライブ配信の視聴数も延べ人数が100名を超え、盛況となった。

フォーラム終了後は、登壇者や来場者同士の交流のためのネット―ワーキングカフェが同会場で開催された。このネットワーキングにもフォーラム参加者のほとんどが参加し、大変盛況となった。

なお登壇者や参加者からは「福岡県にIT先進のイメージがある理由がよくわかった!」「福岡の未来は明るい」「海外動向も知ることができ、国際的で有意義なセッションでした」「会場選びとVtuberの登場で、とてもフレンドリーなフォーラムでした」「福岡のweb3、ブロックチェーンに対する熱を感じた」といったコメントがあった。

当日の様子は福岡県未来ITイニシアティブの公式YouTubeで公開されている。ぜひチェックしてみていただきたい。

ブロックチェーンEXPO【秋】に福岡企業と共同出展

また福岡県未来ITイニシアティブは、県内企業ブロックチェーン製品・サービスの普及・展開を促進するため、昨年11月20-22日に幕張メッセで開催の「第5回ブロックチェーンEXPO【秋】(NexTech Week2024内)に、県内企業4社と共同出展した。

出展したのは、ブロックチェーン開発や暗号資産マーケットメイク事業を展開する暗号屋、COMMUNを提供する九州NFTラボ、医療ウェアブランド「sukui」でブロックチェーンを活用するワーキングハセガワ、ブロックチェーンとマイナンバーカードを組み合わせたサイネージ型認証連携サービスを提供するINTLEIRだ。

各社の担当者が会場で多くの参加者と商談を実施した。

Web3BB&AI東京のブース出展とセッションをサポート

また福岡県未来ITイニシアティブは、12月5・6日に東京の国立新美術館で開催された「Web3BB&AI東京」にもブースを出展。さらにカンファレンスのセッションもサポートした。

「ブロックチェーンを活用した地域における新たなビジネスの可能性」と題されたセッションでは、chaintope 代表取締役の正田英樹氏と、福岡地域戦略推進協議会の片田江由佳氏が登壇。あたらしい経済の設楽がモデレータを務めた。

このセッションでは福岡県のブロックチェーンに関する取り組みや、福岡でWeb3領域の政策提言から実装までを推進する産学官民連携の「フクオカ・ブロックチェーン・アライアンス」について、そして福岡の今後の可能性についてトークが展開された。

またカンファレンス内で開催された「AI WEB3 COMPANY SHOWCASE TIME」にも、福岡県企業として暗号屋、chaintope、九州NFTラボが登壇し取り組みに関してプレゼンテーションを実施した。

レポート:あたらしい経済 編集部

福岡県未来ITイニシアティブについて

福岡県未来ITイニシアティブは、「新しいITを生み出す人やITを活用する人とともに、より豊かに生活できる未来を創造する」を理念としています。福岡県には、ITを活用した製品・サービスの研究・開発を行う企業・エンジニア・大学等が多数集積しています。これらのITに関わるすべての人とともに、新しいITの創出と活用の促進、起業家やエンジニアが協力して挑戦を続ける環境づくり、未来のIT産業を支える人材の育成を行い、県内のIT産業の持続的な発展を目指します。

あたらしい経済内の特設ページでは、ブロックチェーン関連を中心とした福岡県未来ITイニシアティブの取組みや福岡県内のブロックチェーン関連企業のご紹介などを掲載していきます。

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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