S&Pグローバル、チェーンリンクと提携。ステーブルコイン評価をオンチェーン化へ

ステーブルコイン評価でチェーンリンク技術を採用

世界最大手の格付け機関S&Pグローバル・レーティング(S&P Global Ratings)は、分散型オラクルネットワーク「チェーンリンク(Chainlink)」と提携し、自社が提供する「ステーブルコイン安定性評価(Stablecoin Stability Assessments:SSA)」をオンチェーン化することを10月14日に発表した。

同社のSSAは、ステーブルコインの価値安定性を「1(非常に強い)」から「5(弱い)」の5段階で評価する指標がある。信用格付けではないものの、各ステーブルコインが法定通貨に対して安定した価値を維持する能力に基づいて安全性を測定するものだ。

今回の提携により、このSSAがチェーンリンクの機関投資家向けデータ配信サービス「データリンク(DataLink)」を通じて、初めてスマートコントラクト上でリアルタイムに利用できるようになる。これにより分散型金融(DeFi)プロトコルやレンディングプラットフォーム、機関投資家が、S&Pのリスク分析データを自動化された意思決定プロセスに直接組み込むことが可能となる。

発表によるとオンチェーンによるSSAは、まずコインベース(Coinbase)が開発したイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「ベース(Base)」上で提供を開始し、今後は市場需要に応じて対応ネットワークを拡大していく予定だという。

S&Pグローバル・レーティングは現在、USDT、USDC、DAI、スカイ・プロトコル(Sky Protocol)のUSDSなど、10種類の主要ステーブルコインを評価している。評価には裏付け資産の品質、ガバナンス体制、規制遵守、償還性、流動性、運用実績などが考慮される。

ステーブルコイン市場は2025年10月時点で時価総額3,010億ドル(約45兆円)に達しており、前年比で大幅に拡大している。また7月に施行された「ジーニアス法(GENIUS Act)」により米国では初のステーブルコイン包括規制枠組みが整備されており、今回の提携はこうした制度的環境を背景にした動きとみられる。

同社は近年、暗号資産(仮想通貨)分野への取り組みを強化している。2023年には「S&P暗号資産DeFi指数」を発表し、2023年12月にはSSAフレームワークを導入した。今年8月にはDeFiプロトコル「スカイ・プロトコル(Sky Protocol)」に初の信用格付け(B−・安定見通し)を付与している。

参考:S&Pグローバル
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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