米SECゲンスラー委員長、現物ビットコインETF申請に「新たな見方示している」

裁判所の判決に基づいて

CNBCの番組「マネームーバーズ(Money Movers)」に出演した米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が、現物ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)の申請についてやグレイスケール訴訟の判決に関する質問に12月14日答えた。

ゲンスラー委員長は現物ビットコインETFについて「現在、8件から12件の申請があり、手続きを進めているところだ」とし、特定の申請を偏見で判断するつもりはないと強調した。

またゲンスラー委員長は「ご存知のように、私たちは過去にこれらの申請の多くを却下したが、コロンビア特別区の裁判所はそれについて重く見た」と述べ、「そこで私たちは、これらの裁判所の判決に基づき、この件について新たな見方を示している」と続けている。

また暗号資産(仮想通貨)運用会社グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)との裁判の判決に異議があるかについて聞かれたゲンスラー委員長は「SECでは、議会が可決した法律と裁判所が解釈する法律の範囲内であらゆることを行っている。私たちは経済に注視している」と述べた。

なおこの判決とは、SECがグレイスケールの現物ビットコインETFの申請を却下したのは誤りとする判決を控訴裁が下し、承認拒否を取り消すよう命令したものだ。

そして暗号資産市場についてゲンスラー委員長は、「暗号資産市場には、多くのコンプライアンス違反がある。証券取引法は、投資家が投資判断を下せるように情報開示を行うだけでなく、詐欺や操作から投資家を守るために存在する。暗号資産の分野では、詐欺や悪質業者があまりにも多い。証券取引法だけでなく、マネーロンダリングや悪質業者から一般市民を保護するための他の法律も遵守されていないことが多い」と述べている。

SECは、連邦控訴裁判所がグレイスケールのETF申請を却下した理由をSECが正当化できなかったとする判決を下した直後から、発行者と有意義な関わりを持ち始めた。SECはこれに控訴せず、グレイスケールの申請を見直している。

現在、暗号資産運用会社グレイスケール、ブラックロック(BlackRock)、インベスコ(Invesco)、アーク・インベストメンツ(ARK Invest)など13社が、ビットコイン価格に連動するETFをSECに申請中だ。

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images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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