ブラックロックがイーサリアム現物ETF申請、デラウェア州で事業体申請も

NASDAQの提出書類で明らかに

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が、米証券取引委員会(SEC)にイーサリアム現物ETF(上場投資信託)に関する申請書を11月7日提出した。米ナスダック(NASDAQ)による提出書類で明らかとなった。

ナスダックにより提出された書類「19b-4フォーム」によれば、申請されたETFは「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares Ethereum Trust)」。ブラックロックは同ETFの米国での上場を目指している。同ETFのカストディアンはコインベース・カストディ・トラスト・カンパニー(Coinbase Custody Trust Company)だ。

また同ETFは、シカゴ・マーカンタイル取引所グループ(CME Group)のETH・ドル基準レート(CME CF Ether-Dollar Reference Rate -New York Variant)を使用するとのこと。

提出書類では、シカゴ・マーカンタイル取引所グループのETH先物の価格は、ETHの現物価格に密接に一致していると述べられている。

またナスダックは書類にて、SECがETH先物のETFを承認していることに言及。

「SECはETH先物へのエクスポージャーを提供するETFを承認しており、そのETFはETHの原資産である現物市場に基づいて価格が決定されることから、SECは信託のようにETHの現物へのエクスポージャーを提供するETPも承認しなければならないとブラックロックは考えている」と述べられている。

デラウェア州で事業体申請も

11月9日には、ブラックロックがデラウェア州企業局のウェブサイトに「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト」の事業体を申請したことが各社に報じられた。

この報道を受けイーサリアムの価格は上昇。記事執筆時点の24時間比で約10%上昇しており、約2116ドル(約32.7万円)の値を付けている(11月10日11:30 コインマーケットキャップ調べ)。

ブラックロックは現在、現物ビットコイン(BTC)のETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust)」もSECへ申請中だ。

10月16日には同ETFがSECより承認を受けたとの米暗号資産メディアのコインテレグラフ(Cointelegraph)の誤報により、BTCの価格が一時急騰。その後ブラックロックが報道を否定したため、BTCは急騰以前の価格に戻した。

ブラックロックなど数社が米国で申請中の現物ビットコインETFが承認されるという憶測などにより、この8か月間でBTC価格は最大の上昇を見せている。記事執筆時点でのBTCの価格は約36,746ドル(約555.8万円)だ(11月10日11:30 コインマーケットキャップ調べ)。

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参考:提出書類
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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