ストラテジー、5週連続のBTC購入途切れる。優先株STRCを約2億ドル買い戻し

BTC購入を見送り、STRCを約323億円分買い戻し

米ナスダック上場のビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)が、10月19日から25日までの期間にビットコイン(BTC)の購入および売却を行わず、変動配当型永久優先株「STRC」を206万8,459株、総額2億490万ドル(約323億円)で買い戻した。同社が10月26日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した報告書「フォーム8-K(Form 8-K)」で明らかになった。

ストラテジーによると同社は、前週の10月12日から18日までに267BTCを約2,210万ドル(約35億円)で購入していた。今回の購入見送りにより、5週連続のBTC追加購入が途切れた。なお、同社の10月25日時点のBTC保有量は84万8,517BTCだ。手数料と経費を含む取得総額は640億2,000万ドル(約10.1兆円)で、1BTCあたりの平均取得価格は7万5,446ドル(約1,190万円)とのこと。

また、ストラテジーは10月19日から25日までの期間に、ATM(At-the-Market)プログラムによる株式売却も実施していない。ATMは、市場価格で株式を随時売却して資金を調達する仕組みだ。同社は前週、クラスA普通株式「MSTR」のATMによる売却で約2,200万ドル(約35億円)を調達し、BTCの購入資金に充てていた。

一方、STRCの買い戻しは前週に続いて実施された。ストラテジーは10月12日から18日までにも、STRCを193万8,780株、総額1億9,310万ドル(約305億円)で買い戻しており、今回の買い戻し額は前週を上回った。

STRCは、ストラテジーが資金調達に活用する優先株の一つだ。普通株とは異なる配当条件が設定されており、満期はない。1株あたりの基準額(stated amount)は100ドル(約1万5,772円)だが、市場価格は需給によって変動する。

ストラテジーは6月29日に発表した資本管理方針で、STRCの市場価格が長期的に99~100ドル(約1万5,614~1万5,772円)で推移することを企業目標に掲げた。同社は市場価格や金利環境などを踏まえ、配当率を月次で見直す方針だ。また、STRCなどの優先株を基準額より大幅に安い価格で買い戻すことで、将来の配当負担の軽減につながる可能性があると説明している。

今回のSTRC買い戻しには、ストラテジーが保有する米ドル建て資金「USDキャッシュ(USD Cash)」が充当された。USDキャッシュは、BTCの取得や米ドル準備金「USDリザーブ(USD Reserve)」の拡充などに利用できる資金だ。一方、USDリザーブは、優先株の配当や既存債務の利払いを支えるために維持されている。

10月25日時点のUSDキャッシュ残高は2億4,240万ドル(約382億円)となり、前週の4億4,730万ドル(約705億円)から2億490万ドル(約323億円)減少した。一方、USDリザーブは前週から変わらず48億3,000万ドル(約7,618億円)だった。

また、ストラテジーが実施する「デジタル・クレジット証券買い戻しプログラム(Digital Credit Securities Repurchase Program)」では、今回の買い戻し後も9億5,680万ドル(約1,509億円)の買い戻し枠が残っている。同社は10月19日、同プログラムの買い戻し枠を20億ドル(約3,154億円)から30億ドル(約4,732億円)に拡大していた。なお、今回の期間中にSTRC以外の優先株やMSTRの買い戻しは実施されていない。

 

参考:フォーム8-K
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。