クラーケン親会社ペイワードとフランクリン・テンプルトン提携、トークン化運用商品をオンチェーン展開へ

xStocksやBENJI活用で金融商品のオンチェーン化推進

暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)の親会社ペイワード(Payward)と資産運用大手フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、トークン化資産と機関投資家向けデジタル金融の推進に向けた戦略的協業を発表した。両社が5月12日に公表した。

両者の発表によると今回の協業では、伝統的金融商品をオンチェーン化し、デジタル資産市場での活用範囲を広げることを目指すという。対象領域は、トークン化株式、適格カストディ、アクティブ運用型の利回り商品、機関投資家向け暗号資産流動性などに及ぶ。

両社は、フランクリン・テンプルトンの資産運用およびトークン化に関する専門性と、ペイワードの暗号資産取引、カストディ、オンチェーンインフラを組み合わせるとしている。

今回の協業の中心となるのは、ペイワードが展開するトークン化株式フレームワーク「xストックス(xStocks)」だ。ペイワードによると、xストックスは2025年のローンチ以降、300億ドル(約4.7兆円)超の取引高を処理しているという。

両社は今後、フランクリン・テンプルトンのアクティブ運用型投資戦略をオンチェーンで展開することを検討する。これにより、同社の運用商品をブロックチェーン上で取引可能にすることを目指す。

また機関投資家向け顧客に加え、一部地域ではクラーケンの一般ユーザー向けにも、トークン化された利回り商品を提供する可能性があるとのこと。

さらにペイワードが展開するクラーケンでは、フランクリン・テンプルトンが提供するトークン化マネーマーケットファンド「ベンジ(BENJI)」を、自社プラットフォームへ統合する取り組みも進める。両社は、機関投資家向け用途において、デジタル市場の資本効率や実用性向上につなげる狙いだ。

なおペイワードは今年3月、米ナスダック(Nasdaq)との提携も発表している。両社は、規制市場とオンチェーン市場を接続する「株式トランスフォーメーション・ゲートウェイ(equities transformation gateway)」構想を進めており、今回の協業も、既存金融商品をオンチェーン市場へ接続する流れの一環とみられる。

一方フランクリン・テンプルトンも近年、オンチェーン金融分野への取り組みを拡大している。今年4月には、暗号資産投資部門「250デジタル(250 Digital)」の買収を発表し、新たな暗号資産事業「フランクリン・クリプト(Franklin Crypto)」を立ち上げる方針を示した。

また同社は3月、実世界資産(RWA)トークン化を手がけるオンド・ファイナンス(Ondo Finance)との提携も発表している。同提携では、ETFに連動するオンチェーン商品を、暗号資産ウォレット経由で提供する構想が示されていた。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。