ペイパル、PYUSDをAIインフラ金融に活用へ。USD[.]AIと連携

USD.AIプロトコルでPYUSD建て資金調達が提供

米決済大手ペイパル(PayPal)とUSD.AI財団の開発者兼コアサービスプロバイダーであるパーミアン・ラボ(Permian Labs)氏が、米ドル建てステーブルコイン「ペイパルUSD(PayPal USD:PYUSD)」を活用したAIインフラ金融に向けた新たなパートナーシップを締結した。12月18日にUSD.AIの公式Xで発表された。

USD.AIは、AIの計算処理に用いられる半導体であるGPUを担保として、AI企業向けに資金調達や決済を提供するオンチェーン金融プロトコルだ。同プロトコルはUSD.AI財団のもとで運営されており、その開発および中核サービスはパーミアン・ラボが担っている。

今回の提携により、USD.AIが発行する合成ドル「USDai」を、ペイパルのステーブルコインであるPYUSDで裏付ける仕組みを導入し、両ステーブルコインの相互運用性を確立する。これにより、AI企業はデータセンターの資本支出やGPU調達、賃料支払いなどのインフラ関連コストを、プログラム可能なデジタルドルで決済できるようになるとしている。

この仕組みにより、USD.AIが提供するAIインフラ向けローンは、今後PYUSD建てでの利用が可能となる。借り手はGPU購入費用やデータセンター運用に必要な資金を、PYUSDとして自身のペイパルアカウントへ直接受け取ることができ、既存のペイパルの決済フローに近い形で利用できるという。

USD.AIは、GPUを担保としたオンチェーン金融プロトコルを展開しており、現在は6億5,000万ドル(約1,022億6,500万円)超の計算資源に裏付けられた資産をオンチェーン上で確保しているとされる。

こうした仕組みの採用を促進するためにペイパルとUSD.AI財団は、最大10億ドル(約1,572億円)の預け入れを対象に年4.5%を提供する顧客向けインセンティブプログラムを実施することも併せて発表した。同プログラムは来年1月上旬に開始され、期間は1年間を予定しているとのこと。

両社は今後、PYUSD決済によるGPU向けローンや設備投資資金の提供に加え、賃貸契約やサブスクリプションなど、AIインフラに関わる支払いへの対応も進めていく方針だとしている。

 参考:USD.AI
画像:iStocks/shilh

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あたらしい経済 編集部

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