パクソス、誤って300兆ドル相当のPYUSD発行。その後すぐに焼却

パクソスが300兆ドル相当のステーブルコインを誤発行

ステーブルコイン「PYUSD(PayPal USD)」を発行する米パクソス(Paxos)が、約300兆ドル(約4京6,500兆円)相当のPYUSDを誤って発行したことを10月16日に発表した。その後、同社は誤発行したPYUSDを全額焼却(バーン)したとしている。

パクソスは公式Xで「これは内部送金プロセス中の技術的なエラーであり、セキュリティ侵害ではないと説明した。また顧客の資産は安全で根本原因はすでに解決しているとのこと。同社は内部で誤った金額を一時的に発行したが、ブロックチェーン上での修正手続きを迅速に完了させたという。

PYUSDは、米決済大手ペイパル(PayPal)が2023年に導入した米ドル連動型ステーブルコインだ。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制下にありパクソスは同州のトラストカンパニーライセンスを取得している。PYUSDは法定通貨および短期国債などによって価値を裏付けているとしているが、今回の誤発行は裏付け資産のない状態でステーブルコインが過剰に発行された形となった。

ブロックチェーンデータサイト「Etherscan」の記録によると、10月15日午後7時12分(UTC)に、パクソスが管理するウォレットアドレスから約300兆PYUSDが発行されたことが確認できる。その後同額が別のアカウントに送付され、完全に焼却されたことも確認できる。今回の誤発行から焼却までの経過時間はおよそ20分だった。

なお今回の誤発行額である約300兆ドルは桁違いの金額だ。参考として2025年時点での米国のマネーストック(M2)は約22.2兆ドル規模とされている。つまり今回誤って発行されたPYUSDは米国に流通する預金を含む現金の総量(M2)の約13〜14倍に相当する。

参考:イーサスキャン①イーサスキャン②
画像:PIXTA

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