米SEC、インベスコ申請の「現物イーサリアムETF」の承認判断を延期

法的および政策的問題を考慮

米証券取引委員会(SEC)は、米資産運用企業のインベスコ(Invesco)申請の現物イーサリアムETF「インベスコギャラクシーイーサリアムETF(Invesco Galaxy Ethereum ETF)」の承認判断を延期したと2月6日発表した。

SECは「規則変更案が提起している法的および政策的問題を考慮すると、(承認判断延期の)手続を開始することは、現時点では適切である」と説明している。

SECは、同ETFへの意見提出期間を21日間設けている。また反論期間は連邦官報公告日から35日間とのことだ。

SECは1月18日には米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)申請の現物イーサリアムETFの可否判断を延期。1月24日、米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が申請中の現物イーサリアムETF「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares Ethereum Trust)」の可否判断も延期している。

また、1月25日には暗号資産運用会社グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)申請の、「グレイースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」のETF転換承認判断を延期している。

その際の通知でSECは、パブリックコメント募集に向けた複数の質問をしている。

具体的には、現物イーサリアムETFが現物ビットコイン(BTC)ETFに類似しているかどうかを問うものや、「ETHとそのエコシステムに関連する特定の特徴(プルーフ・オブ・ステーク[PoS]コンセンサス・メカニズム、少数の個人または事業体による支配や影響力の集中など)が、イーサリアム上場投資信託の詐欺や操作を受けやすくする可能性についての懸念があるか」という問題を提起していた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、今後も現物イーサリアムETFの可否判断に遅れが出るだろうと予測していた。

関連ニュース

参考:FSC
images:iStocks/Foryou13

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/17話題】スラッシュがSlash Vプリカ SHOP開始、SECのSAB121覆す決議案が可決など

スラッシュが「Slash Vプリカ SHOP」開始、暗号資産でVプリカ購入可能に、米上院、SECの暗号資産会計ルール「SAB121」を覆す決議案を可決、インド証券取引委員会、暗号資産取引の監督に前向き、準備銀行とは対照的に、仏証券監督当局、投資家にBybitの無登録営業を警告、KuCoin、ナイジェリアの規制準拠に向け一部サービスを停止、米CME、ビットコイン現物取引の提供検討か=報道、リップル、「XRP Ledger」をコスモスのインターチェーンに接続、マスターカードがカーボンクレジットのトークン化における概念実証完了、スタンダードチャータード銀行らと、DTCC、大手銀行らとファンドのトークン化推進する「Smart NAV」の実証実験完了。チェーンリンク活用で