アニモカブランズ、サウジアラビアの巨大都市「NEOM」から約75億円出資の提案受ける

ネオム支援会社と戦略的パートナーシップ締結も

香港拠点のブロックチェーンゲーム開発企業アニモカブランズ(Animoca Brands)が、サウジアラビアの都市計画「ネオム(NEOM)」を支援する「ネオムカンパニー(NEOM Company)」との戦略的パートナシップを10月30日発表した。

また戦略的パートナーシップと並行して、アニモカブランズと「ネオムカンパニー」の戦略的投資部門である「ネオム・インベストメント・ファンド(NEOM Investment Fund)」は、転換社債型新株予約権付社債の資金調達に関する覚書を締結したことも発表している。

「ネオム・インベストメント・ファンド」はアニモカブランズに対し、5,000万ドル(約75億円)を投資することを提案しており、そのうち2,500万ドル(約37.5億円)は、アニモカブランズが1株当たり4.50豪ドル(約431円)の転換上限価格で転換社債を発行し、残りの2,500万ドル(約37.5億円)は流通市場でのアニモカブランズの株式を二次市場で購入するために投資予定だという。

また戦略的パートナーシップの一環として、両社は「サウジ・ビジョン2030」計画に沿って、リヤドおよびネオム地域におけるWeb3インフラ開発を促進していくとのことだ。

「ネオム」とは、2021年に発表されたサウジアラビアの北西部タブーク州に建設中の巨大計画都市だ。準独立のフリーゾーンとして、独自の法律、規制、当局を持つ。すでに86カ国から2,800人以上のスタッフが滞在し、働いているとのことだ。なお2030年には約100万人が「ネオム」に居住し、2045年には900万人に増加する見込みだという。

また「サウジ・ビジョン2030」は、石油依存体質から脱却し、包括的発展を実現するための成長戦略だ。同戦略の目玉プロジェクトが「ネオム」である。

なお2017年3月には、サウジアラビアのサルマン国王と安倍元総理により「日・サウジ・ビジョン2030」が発表された。これは「サウジ・ビジョン2030」を日本が支援し、日本の成長戦略と相乗効果を睨んでのものであった。

アニモカブランズの共同創設者兼エグゼクティブ・チェアマンのヤト・シウ(Yat Siu)氏は「ネオムは、私たちの生活、仕事、遊びを再定義するためにイノベーションとテクノロジーを活用しようとする世界で最も野心的なプロジェクトの1つ。私たちは常々、Web3エコシステムの成長を新しいメタ国家の出現と呼んできたが、今やネオムはブロックチェーンの力を完全に活用する最初の地域になる可能性がある」とコメントしている。

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参考:アニモカブランズ
デザイン:一本寿和

images:iStocks/mouu007

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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