ナイジェリア政府、公式通貨市場にフィンテック組み込む計画か=報道

流動性ひっ迫緩和のため100億ドル流入計画も

外貨不足にあえぐナイジェリアが、金融テクノロジー企業などを公式な外国為替通貨市場に加えることを計画しているようだ。各社が10月26日報じている。

暗号資産メディアのビットコインドットコム(Bitcoin.com)によれば、ボラ・ティヌブ(Bola Tinubu)大統領の財政政策・税制改革委員会のメンバーであるタイウォ・オイデレ(Taiwo Oyedele)氏が、ナイジェリアは公式通貨市場を拡大し、両替所や金融テクノロジー企業などの「合法的な」参加者の参入を計画していると述べたという。

またオイデレ氏は10月23日に首都アブジャで開催されたナイジェリア経済サミットにて、ナイジェリア政府が外貨平行市場での取引を違法とすることも検討していることを明かしている。

ナイジェリア法定通貨ナイラの下落止まらず

ナイジェリア中央銀行(CBN)は10月12日、43品目の輸入規制を撤廃。この措置は、制限撤廃で平行市場におけるナイラ(NGN)下落を減速する狙いから講じられたものであったが、その甲斐虚しくナイラは下落している。

ブルームバーグの報道によると、ナイラ相場は10月23日、並行市場で1ドル=1215ナイラまで下落。同日、公式市場におけるドル対ナイラの為替レートは1:795であったという。

オイデレ氏は下落の原因を、流動性不足だと指摘。「現在の市場は機能していないし、今のままでは機能しないだろう。並行市場と公的市場を合わせても、十分な流動性がないのだ」と述べている。

またワレ・エドゥン(Wale Edun)財務相はナイジェリア経済サミットにて、同国が今後数週間で100億ドル(約1.5兆円)の資金流入を見込んでいると発言。しかし予想される外貨流入の詳細については語らなかった。

ティヌブ大統領はサミットにて「外国為替の流動性を深め、全体の信用を向上させるための広範囲に及ぶ取り組み」の具体的な詳細については、財務大臣と中央銀行総裁が説明すると述べている。

ナイジェリアは2021年10月、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「eナイラ」をローンチしている。

また昨年9月にはナイジェリア輸出加工区庁(NEPZA)が、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と提携。西アフリカ初のブロックチェーンとデジタル経済に特化した経済特区である「バーチャルフリーゾーン」設立を目指していた。

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参考:ビットコインドットコムブルームバーグジェトロ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/mirza-kadic・sumkinna

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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