新経連、暗号資産税制「一律20%」を個人間取引にも要求

暗号資産同士の交換時は課税せず、法定通貨への交換時にまとめるよう提言

新経済連盟(新経連)が、暗号資産(仮想通貨)取引から生じる利益について、個人間の直接取引も申告分離課税の対象とするよう求めた。新経連が9月11日に公表した「2027年度税制改正提言」で示した。

新経連は、暗号資産取引業者を介した取引だけでなく、個人間で直接行われた取引についても、利益を一律20%の申告分離課税の対象とするよう要望した。申告分離課税は、対象となる所得を給与所得などと分け、一定の税率で税額を計算する仕組みだ。

また新経連は、暗号資産取引で生じた損失について、暗号資産に係る所得金額からの繰越控除を認めるよう求めている。

2026年度税制改正では、金融商品取引業者登録簿に登録された一定の暗号資産「特定暗号資産」について、暗号資産取引業者への売委託または同業者への譲渡で生じた所得を20%の申告分離課税とする制度が措置された。

同制度では、対象取引で生じた損失を、一定の要件の下で翌年以後3年間にわたって繰り越せる。制度は、関連する金融商品取引法・資金決済法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の取引に適用される。なお、同改正法は7月15日に成立した。新経連は今回、個人間の直接取引にも申告分離課税の対象を広げるよう求めた形だ。

また、暗号資産同士の交換に関する課税の見直しも提言された。新経連は、暗号資産を別の暗号資産へ交換するたびに損益へ課税するのではなく、保有する暗号資産を法定通貨へ交換する際にまとめて課税する仕組みを求めている。

相続税については、暗号資産の評価額を相続開始日の最終価格(時価)だけでなく、相続月を含む過去3カ月間の月平均時価も選択肢とし、その中で最も低い価額を適用できるよう求められた。

暗号資産による贈与や寄附について新経連は、所得税法第59条の特例を適用できるようにするなど、暗号資産による寄附を阻害しない税制にすべきとした。

新経連は、Web3市場が急速に拡大する一方、現行の規制や税制が足かせとなり、有望なWeb3企業が国外へ流出していると指摘した。同連盟は、日本がWeb3市場から取り残されないため、トークンエコノミーの市場形成と発展を促す対応を急ぐべきとしている。

参考:新経連国税庁
画像:iStocks/PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。