2026年Q2トランザクション数が過去最高、平均TPSも最高値
ブロックチェーンデータ分析プラットフォームのトークンターミナル(Token Terminal)が、イーサリアム(Ethereum)の2026年第2四半期(Q2)レポートを9月14日に公開した。同時期のイーサリアムL1におけるトランザクション数は2億390万件となり、過去最高を更新した。
トランザクション数は前四半期比1.7%増、前年同期比68.4%増だった。また、ネットワークが1秒あたりに処理する平均トランザクション数を示すTPSは25.9となり、前四半期比0.6%増、前年同期比68.4%増を記録。両指標は、2026年Q1に記録した従来の最高値をわずかに上回った。
トランザクション数はこれで2四半期連続で2億件を超えた。トークンターミナルは、2026年Q1とQ2のトランザクション数について、ネットワークの処理量が一段高い水準へ移行したと説明している。
一方、Q2の月間アクティブユーザー数は平均920万となり、前四半期比30.0%減、前年同期比36.6%増だった。同指標は実際の利用者数ではなく、1カ月間にL1上でネットワーク収益を生むトランザクションを行ったユニークアドレス数を示す。アクティブアドレス数が減少する一方でトランザクション数は増加したため、1アドレスあたりの取引頻度は上昇した。
なお、同レポートではL2ネットワークを別のチェーンとして扱っており、トランザクション数やTPS、月間アクティブユーザー数などのネットワーク指標には含めていない。
取引手数料については、Q2にユーザーが支払った総額が5,250万ドル(約77億円)となり、前四半期比31.6%増、前年同期比49.2%減だった。前四半期比での増加は2025年Q3以来となる。1トランザクションあたりの平均手数料もQ1の約0.20ドルから約0.26ドルへ上昇したが、前年同期の約0.85ドルを大きく下回った。
また、トークンターミナルが「Revenue」と定義するETHバーン額は1,710万ドル(約25億円)となり、前四半期比112.2%増、前年同期比66.0%減だった。同指標にはベースフィーとブロブフィーのバーン額が含まれる。なお、Revenueは一般企業の売上高を意味するものではない。
取引手数料に占めるETHバーン額の割合は、Q1の約5分の1からQ2には約3分の1へ上昇した。ただし四半期内では、バーン額は4月の880万ドル(約13億円)から6月の310万ドル(約4.6億円)まで減少している。
TVL減少の一方、トークン化米国債ファンドは過去最高に
ネットワークの処理量が拡大する一方、イーサリアムのエコシステムTVL(Total Value Locked)はQ2平均で2,872億ドル(約42兆円)となり、前四半期比9.2%減、前年同期比11.4%増だった。TVLはチェーン上のアプリケーションに預けられた資産価値を示す指標で、イーサリアムでは2四半期連続の減少となった。
これに対し、イーサリアム上で発行されたトークン化資産の時価総額はQ2平均で2,031億ドル(約30兆円)となり、前四半期比0.3%増、前年同期比38.7%増だった。このうちステーブルコインが87.1%を占めたほか、トークン化ファンド、トークン化コモディティ、トークン化株式はいずれも前四半期から増加した。
特に、米国短期国債(T-Bill)や米国債を裏付けとするマネーマーケット商品で運用するトークン化ファンドが拡大した。こうしたトークン化米国T-Billファンドの時価総額はQ2平均で75億ドル(約1.1兆円)となり、前四半期比55.7%増、前年同期比51.5%増で過去最高を記録した。イーサリアム上のトークン化ファンドに占める割合も、Q1の24.5%からQ2には36.3%へ上昇した。
トークンターミナルは、トークン化米国T-Billファンドの成長を規制下の資産運用会社が牽引したと説明している。Q2末にはフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のオンチェーン流動性ファンド、オンド・ファイナンス(Ondo Finance)の「USDY」、ブラックロック(BlackRock)の「BUIDL」が、それぞれイーサリアム上で10億ドル(約1,470億円)を超えた。
またJPモルガン・アセット・マネジメント(J.P. Morgan Asset Management)は5月、イーサリアム上で同社2本目となるトークン化マネーマーケットファンド「JLTXX」をローンチした。同ファンドは米国債と、米国債や現金で完全に担保された翌日物レポ取引を運用対象とする。トークンターミナルのデータでは、時価総額はQ2末に6億8,220万ドル(約1,000億円)へ達し、9月初旬には8億ドル(約1,180億円)を超えた。
上位5チェーンを対象としたQ2平均の市場シェアでは、イーサリアムはステーブルコインで61.6%、トークン化ファンドで67.6%、トークン化コモディティで71.3%を占めた。一方、トークン化株式では41.2%でQ2平均では首位だったものの、7月下旬にはBNBチェーン(BNB Chain)がイーサリアムを上回った。
ETH評価額低下も、ステーキング比率は過去最高
ETHの完全希薄化後時価総額はQ2平均で2,472億ドル(約36兆円)となり、前四半期比14.8%減、前年同期比6.7%減と3四半期連続で減少した。
一方、ステーキング比率は、ETHの市場価値に対してネットワークの安全性確保のためにステーキングされているETHの価値が占める割合を示す。同指標はQ2平均で32%となり、過去最高を更新した。また、ETHを保有するユニークアドレス数も平均3億1,210万となり、前四半期比6.6%増、前年同期比27.4%増で過去最高を記録した。
— Token Terminal 📊 (@tokenterminal) September 14, 2026
画像:PIXTA