本人名義の海外口座などは1日各500万バーツまで
タイ証券取引委員会(SEC)の監督下にある暗号資産(仮想通貨)事業者を介したステーブルコインの送受金に関する規制案について、パブリックコメントが開始された。タイSECが9月11日に発表した。意見募集は9月25日までだ。
規制案では、タイの暗号資産事業者に開設された顧客口座と、第三者名義の口座またはプライベートウォレットとの間で、米ドル建てステーブルコイン「USDT」や「USDC」などを送受金することを原則禁止するとのこと。顧客口座への入金元と、顧客口座からの送金先は、顧客本人名義の口座、または顧客本人の所有・管理が確認されたウォレットに限られる。
顧客本人名義の海外暗号資産事業者口座または顧客本人が所有・管理するプライベートウォレットと、タイ国内事業者の顧客口座との入出金には、入金・出金の各方向について、1人・1事業者・1日あたり500万バーツ(約15万ドル=約2,330万円)の上限が設けられる。
また事業者には、送付人と受取人の情報を確認するトラベルルール(Travel Rule)への対応、顧客の分類、名義貸し口座や違法取引との関連が疑われるウォレットのスクリーニング、ブロックチェーン分析ツールによる送金経路の確認などが求められるという。
送金額は、顧客の収入源や財務状況と整合している必要があるとのこと。送金額が顧客情報と一致しない場合、事業者は通常より厳格な顧客管理を行うことになる。
一方、タイ国内の暗号資産事業者にある本人名義口座間の送金には、500万バーツの上限を適用しないという。送金元と送金先の双方の事業者がトラベルルールに対応していることが条件だ。
500万バーツの上限は、顧客がタイ国内の暗号資産事業者である場合、または同事業者が業務目的で自社名義口座に送受金する場合にも適用されないとのこと。このほか同案では、タイ中央銀行の監督下にあり、ステーブルコインを用いた事業について同銀の個別承認を受けた事業者や、ステーブルコインとタイバーツの取引ペアに流動性を提供するマーケットメーカー(MM)も対象外になっている。
なお、ブロックチェーン上では上限を超える入金自体を事前に阻止できない。このためSECは、超過分を凍結するなどの対応方法を今後定めるとしている。
SECは、監督下の事業者を介したステーブルコイン取引を分析した結果、特に「USDT」の取引量と取引額が大幅に増加していると説明。一部の取引形態には、マネーロンダリングやサイバー犯罪、国際送金規制の回避に利用されるリスクがあるとしている。
今回の内容は最終決定された規制ではない。パブリックコメント文書では、ステーブルコイン送金規制などの施行時期を、関連告示の発効日から60日後とする案も示されている。
参考:タイSEC・パブリックコメント文書
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