SBI証券らが国内デジタル証券の越境取引を実証
SBI証券、大和証券、SBIデジタルマーケッツ(SBI Digital Markets:SBI DM)、ペンギン・セキュリティーズ(Penguin Securities)、ブーストリー(BOOSTRY)の5社が、国内で発行・管理されるセキュリティトークン(ST / デジタル証券)の将来的なクロスボーダー流通を見据え、業者間取引におけるパブリックブロックチェーン活用に関する実証プロジェクトを推進したことを7月8日に発表した。
本プロジェクトでは、海外証券会社とのST取引時に限り、パブリックブロックチェーン「イーサリアム(Ethereum)」と米ドル建てステーブルコイン「USDC」を活用する構成を前提に、システム面・法務面・業務面の検証が行われた。
今回の実証は、日本国内の多様なアセットを将来的に海外投資家へ届けることを見据えたものだ。クロスボーダーの業者間取引に限定してパブリックブロックチェーンを活用することで、国際的な決済・流通基盤のあり方を検証したという。
実証では、国内投資家向けの管理は従来どおり、ブーストリーが開発・運営を主導するコンソーシアム型基盤「ibet for Fin」上で行われた。一方、海外証券会社との業者間取引時のみ、対象STをパブリックブロックチェーン上にミラー連携し、「USDC」を用いたDvP決済を可能にする構成を採用した。なおDVP(Delivery Versus Payment)決済とは、証券等の権利の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を同時に行うことで、一方だけが先に移転されることによる決済リスクを抑える。
5社は今回の実証により、国内における権利の安定性を確保しながら、パブリックブロックチェーンが持つ相互運用性やグローバル接続性を活用できることを確認したとしている。
また、金融機関がパブリックブロックチェーンを利用する際に重要となるガス代管理、秘密鍵管理、BCP・コンティンジェンシープラン、日本とシンガポールの金融機関の役割分担、セキュリティや統制上の論点、関連する法令・税務上の論点についても整理したとのことだ。
さらに5社は、関係当局および自主規制機関との議論も重ねたという。そのうえで、SBI証券および大和証券は、同プロジェクトに関するプラットフォームの安全性などについてリスク評価を実施し、自主規制機関に報告した。
同報告について確認作業を行った結果、自主規制機関からは、現時点で本プロジェクトに関してパブリックブロックチェーン(イーサリアム)の活用に追加の確認事項はない旨の連絡を受けたという。
今回の実証結果により、クロスボーダー取引における新たな決済・移転インフラの可能性が確認されたとのこと。また、金融機関がパブリックブロックチェーンを活用するうえでの実務論点が整理されたという。5社は今後の制度・市場整備に向けた重要な知見を得たとしている。
なお、SBI証券と大和証券、ブーストリーは、SBI新生銀行、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)、ディーカレットDCP(現DCP)と共同で、これまでにもトークン化預金「DCJPY」を用いたSTのDVP決済に関する実証を進めていた。
この実証は、ブーストリーのibet for Finで発行・管理されるSTと、ディーカレットDCPのプラットフォームを通じてSBI新生銀行が発行する「DCJPY」を連携させ、ST二次流通時のDVP決済を検証するものだ。2025年12月に協業開始が発表され、2026年4月には、STとデジタル通貨を実発行したうえでのDVP決済の検証完了が発表されている。STとデジタル通貨を実発行したうえでSTのDVP決済を検証した事例は国内初とされている。
参考:SBIホールディングス・ブーストリー
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