ビットコイン担保で住宅購入、米国初のファニーメイ裏付け住宅ローン実行

米国初のビットコイン担保

ファニーメイ適格住宅ローン ・住宅ローンプラットフォームのベター・ホーム&ファイナンス・ホールディング(Better Home & Finance Holding Company)と暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、ビットコイン(BTC)を担保にした住宅ローン商品の初の融資を実行したと6月4日に発表した。

この商品は今年3月に両社が発表していた「トークン担保住宅ローン」だ。利用者はBTCおよびステーブルコイン「USDC」を頭金用ローンの担保として差し入れることで、暗号資産を売却せずに住宅ローンを利用できる。両社は今後、市場の成熟に合わせて対応資産を拡大する予定としている。

両社によると、この案件は米政府支援住宅金融機関ファニーメイ(Fannie Mae)の裏付けを受ける住宅ローンとして、ビットコインを担保に実行された米国初の事例だという。ファニーメイは米国の住宅ローン市場を支える政府支援機関だ。

初回利用者は米ミシガン州アナーバー在住の30代前半の夫婦で、保有するビットコインを担保として差し入れ、初めての住宅購入を実現したとのことだ。

ベターによると、同社の事前審査を通過した顧客の41%は、収入や信用力の基準を満たしている一方で、従来型住宅ローンに必要な頭金を現金で用意できないという課題を抱えているという。

今回住宅を購入した30代夫婦も、収入や信用力の基準は満たしていたものの、頭金として必要な現金が不足していたという。2人は暗号資産で十分な資産を保有していたものの、頭金として現金を用意するにはBTCを売却する必要があったという。商品利用により、BTC売却に伴うキャピタルゲイン課税の発生や、将来的な値上がり機会の放棄を避けながら住宅購入を実現したとのことだ。

米住宅金融当局の方針転換が背景

今回の取り組みの背景には、米連邦住宅金融庁(FHFA)の方針転換がある。

FHFAのビル・パルト(Bill Pulte)長官は2025年6月、ファニーメイおよびフレディマック(Freddie Mac)に対し、住宅ローン審査において暗号資産を資産として考慮する準備を進めるよう指示していた。

暗号資産を住宅ローン審査に活用するには、事前に売却して現金化する必要があるケースが一般的だった。一方で今回の商品では、利用者はBTCを売却することなく、ファニーメイ適格の住宅ローンと、暗号資産を担保とする頭金用ローンを組み合わせて住宅を購入できる仕組みとなっている。

両社は、この商品を2026年夏までに全米の適格な借り手向けへ提供開始する予定だとしている。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。