サークル、AIエージェント向けUSDC金融基盤「エージェント・スタック」公開

USDC活用のAIエージェント向けインフラ展開

米ドルステーブルコイン「USDC」などを発行するサークル(Circle)が、AIエージェント向け金融基盤「エージェント・スタック(Agent Stack)」の公開を5月12日に発表した。

エージェント・スタックは、AIエージェント経済向けに設計されたツール群を統合した基盤だ。サークルは、AIエージェントを自律的な経済主体として機能させるためのインフラ提供を目的としていると説明している。

同基盤では、新規サービスとして「サークルCLI(Circle CLI)」、「エージェント・ウォレット(Agent Wallets)」、「エージェント・マーケットプレイス(Agent Marketplace)」が提供される。また、今年4月に公開された決済基盤「サークル・ゲートウェイ(Circle Gateway)」上の「ナノペイメンツ(Nanopayments)」もエージェント・スタックに含まれるとのことだ。

これらの機能により、開発者や自律動作するAIエージェントは、対応するブロックチェーンおよび決済プロトコル上で、USDCを利用した資産保有、サービス探索、プログラム的な決済などを行えるという。

サークルCLIは、AIエージェントや開発者向けのコマンドラインインターフェースだ。サークルによると、ウォレット管理、USDC送金、スワップ、クロスチェーンブリッジ、スマートコントラクト実行などを単一インターフェース上で行えるという。

またエージェント・ウォレットでは、AIエージェントがUSDCやその他トークンを自律的に保有・送金・管理可能となる。あらかじめ定義された権限や支出制御、ガードレールの範囲内で動作する設計とのこと。同ウォレットは、2-of-2 MPC(マルチパーティ計算)による鍵管理を採用している。サークルによると、鍵共有情報はAIエージェントへ公開されず、利用者が資産の管理権限を保持する仕組みだという。また、すべての送金はオンチェーン実行前に制裁スクリーニングを受けるとのこと。

エージェント・マーケットプレイスでは、人間およびAIエージェントがサービスを検索・評価・統合可能なディレクトリを提供する。AIエージェントは、同マーケットプレイス上でサービスを探索し、USDCを利用してプログラム的に支払いを実行できるという。

そしてナノペイメンツでは、「x402」互換サービス向けにガス代不要のUSDC決済を提供する。サークルによると、0.000001ドル単位のUSDC送金に対応するとのこと。

なおサークルは近年、AIエージェント向けの開発基盤や決済基盤、オンチェーン金融インフラ整備を進めている。 ・同社は昨年10月、企業向けレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」のパブリックテストネット公開も発表している。同チェーンはUSDCをガストークンとして採用しているほか、AIエージェントを活用したオンチェーン商取引への対応も掲げている。

また同社は、今年3月にAIエージェント向け開発支援ツール「サークルスキルズ(Circle Skills)」を公開した。さらに今年4月には、AIエージェント同士の商取引を想定したイーサリアム(Ethereum)改善提案「ERC-8183(Agentic Commerce)」のリファレンス実装を、アークのテストネット上で稼働開始したことも発表している。

参考:プレスリリースドキュメント
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。