イタリア経済省、暗号資産のリスクについて「詳細な調査」開始

イタリアで暗号資産リスクの詳細調査が開始

イタリア経済省は、暗号資産(仮想通貨)に伴うリスクが(潜在的に)高まる可能性があるとの見方を踏まえ、既存のリスク抑制策(safeguards)について詳細な見直しを命じた。イタリア銀行(Bank of Italy)および他の金融規制当局が12月4日に明らかにした。

規制当局は声明で、「小口投資家(retail investors)による暗号資産への直接・間接投資について、既存の抑制策の妥当性を評価するため、詳細な見直しを開始した」と述べた。

この決定は、いわゆる「マクロプルーデンシャル政策委員会(Committee for Macroprudential Policies)」の会合で行われた。同委員会には、イタリア銀行の総裁、市場監督当局であるコンスオブ(Consob)の長、保険監督当局および年金基金監督当局の長、ならびに財務当局の事務方トップが参加した。

委員会メンバーは別の声明で、「暗号資産の普及に伴うリスクは、金融システムとの相互接続性の拡大や、国際レベルでの規制の断片化によって増大する可能性がある」と指摘した。

イタリアの金融システムの安定確保を任務とする同委員会は、世界的な不確実性が高い状況ではあるものの、イタリアの経済・金融環境は概ね良好な状態を維持していると述べた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Italy launches ‘in-depth’ review of cryptocurrency risks
(Reporting by Sara Rossi, editing by Alvise Armellini and Gavin Jones)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【12/10話題】米OCCが銀行の暗号資産売買仲介を正式容認、XRP現物ETFのAUMが10億ドルに、Tempoのパブリックテストネット公開など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

米SEC、トークン分類とトークン化証券を軸に制度整備を加速。ICOの多くは「非証券」との認識示す

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長が、12月9日にワシントンD.C.で開催されたブロックチェーン協会(Blockchain Association)の政策サミットに登壇し、暗号資産(仮想資産)規制の新たな取り組みである「プロジェクト・クリプト(Project Crypto)」の進捗と今後の方針について語った