クラーケンがバックド買収へ、米国株式トークン化資産「xStocks」と自社プロダクト連携も

クラーケンとバックド買収合意

海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)が、スイス拠点の資産トークン化企業バックド・ファイナンス(Backed Finance)との買収合意を12月2日に発表した。なお買収額や買収完了時期は明かされていない。

両社は株式トークン化プロダクト「xストックス(xStocks)」を共同開発し、6月30日に提供開始していた。xStocksでは、米国主要企業の株式やETF(上場投資信託)がトークン化されている。これらのトークン化株式は、実際の株式に1:1で裏付けられており、DeFi(分散型金融)上で24時間365日取引が可能だ。

現在xストックスはソラナ(Solana)とイーサリアム(Ethereum)上で稼働しており、今後はオープンネットワーク(TON)、トロン(Tron)、マントル(Mantle)、BNBチェーン(BNB Chain)への統合も予定されている。

今回の買収により、xストックスのグローバル利用が加速し、トークン化株式の発行・取引・決済が共通のフレームワークのもとで統合される予定とのこと。また、クラーケンは業界全体でトークン化株式の相互運用性と流動性を強化する方針だという。

なお、バックドのチームとインフラはクラーケンの組織に組み込まれ、トークン化資産の発行機能とコンプライアンス体制を強化しつつトークン化資産の提供範囲と有用性を拡大していくとのこと。

クラーケンは、グローバルマネーアプリ「クラーク(Krak)」などの自社製品とxストックスを連携させ、顧客にトークン化株式の保有や日常での活用を可能にする計画だという。

ちなみに、クラーケンは12月4日にドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)との戦略的提携を発表した。両社はxストックスを、DLT(分散型台帳技術)活用のデジタル資産向けマーケットプレイス構築プラットフォーム「360X」のエコシステムに統合する予定とのこと。両社は、ドイツ取引所グループの子会社クリアストリーム(Clearstream)で保管されている証券をトークン化し、これらのトークン化証券をクラーケンの顧客基盤に提供可能にする計画だ。

参考:クラーケン
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。