ブータン王国、国家デジタルIDをイーサリアム基盤に移行。2026年までに全面移行へ

世界初の国家レベル実装に

ブータン王国が、国家デジタルIDシステムをイーサリアム(Ethereum)上に構築した。イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)のプレジデントである宮口あや(Aya Miyaguchi)氏が10月14日に報告した。

国家レベルのデジタルIDシステムをイーサリアム基盤に導入するのは、これが世界初と報じられている。

ブータン王国は 2024年8月からポリゴン(Polygon)上で国家のデジタルIDシステムを運用しており、それ以前はハイパーレッジャー・インディー(Hyperledger Indy)を利用していた。今回、ポリゴンからイーサリアムに移行した格好だ。

10月14日にブータンで開かれた公式セレモニーには、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も出席。王室臨席のもと、国家デジタル ID のローンチが正式に行われたという。

宮口氏はXにて、ブータン王国とイーサリアムは、未来へのビジョンを強固な基盤的価値観に根ざすべきという信念で一致していると述べ、今回の取り組みは「国家的な成果であるだけでなく、長期的に見てより開放的で安全なデジタル未来に向けた世界的な一歩を意味する」とコメントしている。

また、イーサリアム上のシステムは現在完全に稼働しており、すべての認証情報の移行は 2026年第1四半期までに完了する予定とのことだ。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者