米商務省、GDPデータをブロックチェーンで公開。連邦機関として初の試み

ブロックチェーン技術の実証開始

米商務省が、実質国内総生産(GDP)データをブロックチェーン上に公開すると8月28日に発表した。

公開対象は今年7月のGDPからで、米国経済分析局(BEA)の改定値によると、7月のGDPは年率3.3%増となった。

なお連邦機関が経済統計をブロックチェーンに公開するのは今回が初めてとなる。

米商務省は四半期GDPデータの公式ハッシュ値(一部は総額のGDP数値も含む)を、ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、トロン(TRON)、ステラ(Stellar)、アバランチ(Avalanche)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ポリゴンPoS(Polygon PoS)、オプティミズム(Optimism)の9つのブロックチェーン上で公開した。

データはオラクルサービスのチェーンリンク(Chainlink)とピス(Pyth)を通じて配信され、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)、ジェミナイ(Gemini)、クラーケン(Kraken)が公開に必要な取引手数料用の暗号資産(仮想通貨)購入で協力した。

米商務省は今後もGDPなどの公式データセットの公開範囲を拡大し、他のブロックチェーン、オラクル、取引所の活用も進める方針を示している。

この発表後、ピス(PYTH)トークンは50%超の急騰を見せ、チェーンリンク(LINK)も3%以上上昇した。

今回の取り組みを通じ、米商務省はブロックチェーン技術の幅広い有用性を実証していくという。また、政府全体に向けた概念実証を示し、トランプ政権が米国を世界のブロックチェーン首都とする取り組みを支援するとした。

ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官は、「商務省と暗号資産大統領(Crypto-President)のドナルド・トランプ大統領が経済統計データをブロックチェーンで公開するのは自然な流れだ。米国の経済的真実を不変で世界的にアクセス可能な形にし、米国をブロックチェーン首都として確立する」と述べている。

参考:発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者