XRPL発行の証券化農業債権をオンチェーン管理可能に
ブラジルの資産運用会社ヴェルト（VERT）が、プライベートクレジット業務を管理するブロックチェーンプラットフォームを、XRPレジャー（XRP Ledger：XRPL）上に構築した。XRPLの開発に関与する米暗号資産（仮想通貨）企業リップル（Ripple）が7月23日に発表した。
ここでいうプライベートクレジットとは、ヴェルトが銀行などの公開市場を介さずに、農業関連企業に対して非公開で実施する融資業務を指す。これらの貸付債権は、証券化された農業債権（CRA：Certified Receivable for Agribusiness）として投資家に提供される。
なおCRAとは、ブラジルの農業関連企業が将来の売掛金や、融資債権などを裏付けに証券化して発行する金融商品だ。同国の農業生産や輸出における資金調達手段のひとつとして利用されている。
今回、このCRAはヴェルトのブロックチェーンプラットフォームにおける初の取引にあたり、7億レアル（約186億円）相当がXRPL上で発行されたとのこと。発行後は、CRAに関する一連の取引が同プラットフォームにて、オンチェーンで管理・記録・可視化されているという。
またヴェルトのプラットフォームでは、資産の発行や支払い、譲渡などのライフサイクルの各マイルストーンを、エンドツーエンドでオンチェーン追跡できるという。これにより、資産の流れがリアルタイムに近い形で記録され、完全な透明性と証跡を確保するとのこと。
さらに同プラットフォームには、XRPL EVMサイドチェーン（XRPL EVM Sidechain）が統合されている。この統合により、スマートコントラクトによる自動化、メタデータや重要書類の記録、詳細なレポーティングが可能とのことだ。
XRPL EVMサイドチェーンは、XRPL上でイーサリアム仮想マシン（Ethereum Virtual Machine：EVM）互換のスマートコントラクト機能を提供するサイドチェーン。6月30日にメインネットローンチした。
同サイドチェーンは、相互運用性プロトコルのアクセラー（Axelar）ブリッジを通じてXRPLに接続されている。これにより、80以上のブロックチェーンとの相互運用性を実現しているとのこと。
また、開発者はイーサリアム（Ethereum）との完全な互換性を保ちながら、XRPLの運用安定性と流動性を活用できるという。なおXRPL EVMサイドチェーンでは、暗号資産エックスアールピー（XRP）がネイティブのガストークンとして機能している。
参考：リップル
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