セロ(CELO)、イーサリアムL2移行に「OPスタック」選択

セロがイーサL2移行に「OPスタック」を選択

「セロ(Celo)」の開発会社シーラボ(cLabs)が、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワークへの移行にあたり、「OPスタック(OP Stack)」を採用することを、同プロジェクトのガバナンスへ4月22日提案した。

「OPスタック」は、イーサL2「OPメインネット(OP Mainnet)」開発元のOPラボ(OP Labs)が提供するブロックチェーン開発キット。「OPスタック」を用いることで、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用した独自のレイヤー2ブロックチェーンを立ち上げられる。

「セロ」は、パブリックチェーンを用いた金融包摂の実現を目指したプロジェクト。モバイル金融アプリの提供やネイティブトークンの「celo(SELO)」の他、「Celo Dollar(CUSD)」や「Celo Euro(CEUR)」、「Celo Brazilian Real(CREAL)」などのステーブルコインを発行している。

「セロ」のコミュニティでは昨年7月、現状同プロジェクトが稼働するEVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換のレイヤー1ブロックチェーンからイーサリアムL2へ移行する計画が承認されていた。

それ以降「セロ」コミュニティでは「OPスタック」の他、ポリゴンCDK(Polygon CDK)やアービトラムオービット(Arbitrum Orbit)、ZKスタック(ZK Stack)といったL2開発キットを評価・テストを行っていたという。

シーラボは今回「OPスタック」を採用した理由として、「セロコミュニティのニーズを損なうことなく、L2を展開するための明確な道筋ができる」としており、OPラボの「スーパーチェーン」構想や「OPスタック」チェーンのファイナリティや低ガス料金、ガス料金としてERC20トークンが選定出来ることを優位性としてあげている。

なお「スーパーチェーン」構想は、「OPスタック」を採用したブロックチェーンをシームレスに接続し、イーサリアムのエコシステムにおける拡張性と相互運用性の強化を目指すもの。「OPメインネット」をはじめ、大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)のベース(Base)やゾラ(Zora)が「スーパーチェーン」の一部であり、ワールドコイン(Worldcoin)も今夏に「OPスタック」により「ワールドチェーン(World Chain)」を構築し、「スーパーチェーン」に参加することを先日4月18日に表明している。

シーラボは、「セロ」のエコシステムの成功にはネットワーク効果が不可欠としており、今回人気が高まっている技術標準に準拠することは「セロ」にとってポジティブであると考えているようだ。

発表によると「OPスタック」による「セロ」のイーサ L2(CEL2と呼称)は、早ければ今年の夏頃にテストネットローンチするとのこと。それまでに再度コミュニティからの承認は得る必要がある。

関連ニュース

参考:セロフォーラム
images:iStock/Mertsaloff

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【5/17話題】スラッシュがSlash Vプリカ SHOP開始、SECのSAB121覆す決議案が可決など

スラッシュが「Slash Vプリカ SHOP」開始、暗号資産でVプリカ購入可能に、米上院、SECの暗号資産会計ルール「SAB121」を覆す決議案を可決、インド証券取引委員会、暗号資産取引の監督に前向き、準備銀行とは対照的に、仏証券監督当局、投資家にBybitの無登録営業を警告、KuCoin、ナイジェリアの規制準拠に向け一部サービスを停止、米CME、ビットコイン現物取引の提供検討か=報道、リップル、「XRP Ledger」をコスモスのインターチェーンに接続、マスターカードがカーボンクレジットのトークン化における概念実証完了、スタンダードチャータード銀行らと、DTCC、大手銀行らとファンドのトークン化推進する「Smart NAV」の実証実験完了。チェーンリンク活用で