コインベース、機関投資家向けプラットフォーム「Project Diamond」ローンチ

アブダビでデモンストレーション実施

大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)と同社傘下のコインベースアセットマネジメント(Coinbase Asset Management)が、新プラットフォーム「プロジェクト・ダイヤモンド(Project Diamond)」を12月12日発表した。

発表によれば、「プロジェクト・ダイヤモンド」は、機関投資家がデジタルネイティブ資産をシームレスに作成、購入、売却するためのプラットフォームとのこと。同プラットフォームには、経験豊富な資産運用機関によって設計されたスマートコントラクトが搭載されているという。

また「プロジェクト・ダイヤモンド」には、コインベースのカストディサービス、Web3ウォレット、サークル社(Circle)のステーブルコイン「USDCoin(USDC)」、レイヤー2ネットワーク「ベース(Base)」が活用されており、安全でコンプライアンスに準拠した資本市場活動を提供するという。

同プラットフォームは11月10日、UAE(アラブ首長国連邦)の金融規制当局であるアブダビ・グローバル・マーケット(Abu Dhabi Global Market:ADGM)に向けた実行デモンストレーションとして、初のデジタル債券を発行したという。

このデモンストレーションはアブダビ・グローバル・マーケット規制ラボ(ADGM RegLab)に入る準備として行われたもので、サンドボックス制度内で規制活動を行うための原則的な承認を得たという。

アブダビ・グローバル・マーケット規制ラボのウェブサイトによれば、同機関は、革新的なソリューションを開発しテストするためにフィンテック参加者に制御された環境を提供する特別な規制枠組みだという。

またコインベースによれば、現在ブロックチェーンインフラ上に存在するのは世界資産の0.25%未満であり、多大なコスト削減効果が得られていないという。

「プロジェクト・ダイヤモンド」は、このギャップを埋めることを目的としており、デモンストレーションにおいて米ドル建てのデジタル割引手形は、「ベース」上でほぼ瞬時の決済速度で単一のアプリケーション内で取引されたと強調。これは運用効率の強力なアップグレードを叶えるものだと、コインベースは述べている。

コインベースは12月12日、「ベース」で提供されている分散型金融(DeFi)プロトコルの中で最もTVL(総預かり資産額)が大きいレンディングプロトコルである「シームレスプロトコル(Seamless Protocol)」のガバナンストークン「シームレス:Seamless(SEAM)」の取り扱い開始を発表している。

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参考:CoinbaseADGM RegLab
images:iStocks/dalebor

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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