アクセンチュアがweb3企業Parfinに戦略的投資

アクセンチュアがパルフィンへ戦略的投資

アクセンチュアが、web3企業パルフィン(Parfin)に戦略的投資を行ったと6月20日発表した。なお今回の投資額などを含む詳細は明かされていない。

パルフィンは2019年設立のweb3インフラストラクチャサービスを提供する企業。同社はロンドンとリオデジャネイロを拠点に、デジタル資産のカストディ・取引・トークン化・管理ツールを、機関投資家向けに提供している。

ブラジルでは現在、ブラジル中央銀行(BCB)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタルレアル」の実証実験を進めているが、パルフィンは同実証実験にも参加している。

またパルフィンは、暗号資産(仮想通貨)事業者が分散型金融(DeFi)と資産トークン化に参加できるように設計された、パーミッション(許可制)型ブロックチェーンの「パーチェーン(Parchain)」を開発している。なお「Parchain」はイーサリアム互換であり、レイヤー0の思想のもと開発されているブロックチェーンとのことだ。

パルフィンによれば「Parchain」は、ブラジルのCBDCである「デジタルレアル」の範囲を広げる役割を果たすとのことだ。

なお、分散型台帳技術(DLT)を用いた「デジタルレアル」の実証実験は2024年2月をめどに完了する予定で、一般利用は2024年末に開始される予定となっている。

アクセンチュアブラジルの金融サービスグループリードのマウリシオ・バルボサ( Mauricio Barbosa)氏は、「Web3、新しい形のデジタルアイデンティティ、パルフィンのようなエンドツーエンドのデジタル資産プラットフォームは、世界の金融サービス企業にデジタル資産戦略の見直しを迫っている」と述べている。

アクセンチュアの成長市場CEO、レオナルド・フラミル(Leonardo Framil)氏は「Web3には、特に新興成長市場の金融機関が持っていない新しいインフラが必要であり、パルフィンは、世界中でデジタル通貨の普及を進める当社の戦略にぴったりだ」とコメントしている。

発表によれば、アクセンチュアはアクセンチュア・ベンチャーズ(Accenture Ventures)を通してパルフィンに投資を行ったという。これはアクセンチュア・ベンチャーズによる投資プログラム「プロジェクトスポットライト」の対象となるとのこと。

なお「プログラムスポットライト」への参加は、ラテンアメリカにおいてはパルフィンが初の事例となるとのことだ。

「プログラムスポットライト」について

「プログラムスポットライト」は資金調達だけでなく、新興のテクノロジー・スタートアップ企業とグローバル企業を結び、戦略的イノベーションのギャップを埋めることを目的としたプロジェクトだという。アクセンチュアはスタートアップ企業に対し、自社の持つ専門知識及び企業クライアントへの幅広いアクセスを提供し、スタートアップ企業が人的創造性を発揮してテクノロジーの有望性を実現できるようサポートしているとのことだ。

関連ニュース

参考:アクセンチュアParchainBCB
デザイン:一本寿和

images:iStocks/PierreOlivierClementMantion

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/15話題】ソラナのSuperteam Japanが発足、DeNAのtrivia. techが6月にグローバルで配信へなど

ソラナ(SOL)の「Superteam」が日本で発足、責任者に元dYdX大木悠が就任、DeNAのオンチェーンゲーム「trivia. tech」、6月にグローバルで配信へ、トルネードキャッシュ開発者に5年4カ月の実刑判決、マネーロンダリングの罪で=報道、USDC発行の米サークル、IPO間近で持ち株会社を米国へ移行か=報道、dYdX創業者アントニオ・ジュリアーノ、dYdX開発会社のCEO退任、OKXが豪州で「OKX Australia」開設、現物とデリバティブ提供、SBI VCトレード、ユーザーに暗号資産・ブロックチェーン専門レポート「HashHub Research」を無料提供へ、ライトニングラボ、Bitcoinブロックチェーンにステーブルコイン導入のテスト実施=報道、北朝鮮、盗んだ暗号資産1億4750万ドルを資金洗浄、国連専門家パネルが報告=ロイター