米コインベース、質問に答えないSECに法的異議申し立て

規制の明確化を求めるコインベース

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米証券取引委員会(SEC)に対し、規制の明確化を求める要求に対応するよう行動に出た。4月24日同社が発表している。

発表によればコインベースは、連邦裁判所に対して行政手続法を発動するよう要請したという。これは裁判所がSECに対して、コインベースが提出していた請願書への回答を行うよう、裁判所の権限を行使して要求するものだ。

コインベースは昨年7月21日、SECに対し「デジタル資産証券規制に関する規則制定を求める請願書」を提出している。

この請願書でコインベースは、デジタル資産証券に関する規則を提示して採択するようにとSECに要求。またコインベースは「デジタル資産証券規制上の取り扱いについて明確性と確実性」を提供するための50項目の具体的質問に対する回答もSECへ求めている。

SECは現在、この請願書に対して約9カ月もの期間、対応していない状況だ。

コインベースの最高法務責任者のポール・グレワル(Paul Grewal)氏は、声明にて「私たちは、ルールが必要であることを認識しており、ルール策定を要請してきた。今日の法的措置は、基本的なルール策定を強制するための試みである。このような形で行われるべきではなかったが、そうなってしまった以上、私たちはこれを最後までやり遂げるつもりだ」とコメントしている。

ウェルズ通知は通達

フィードバックには対応しないSECだが、告訴の通達については別のようだ。

SECは3月22日、コインベースへ「ウェルズ通知(Wells Notice)」を通達している。ウェルズ通知とは、SECが企業・個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する公式文書だ。

コインベースによると、ウェルズ通知には証券取引法違反の可能性を特定したこと以外の情報は記されていないとのこと。コインベースはSECに対し、違反の可能性がある資産について回答を求めたが、SECは対応を拒否したという。

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参考:コインベース
デザイン:一本寿和
images:iStock/ablokhin・Rawpixel

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。