米コインベースがデジタル資産運用会社ORDAMを買収、機関投資家向けサービス拡充へ

コインベースがワンリバーデジタルアセットマネジメントを買収

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースが、デジタル資産運用会社「ワンリバーデジタルアセットマネジメント(One River Digital Asset Management/ORDAM)」を買収したと3月3日発表した。

この買収によりORDAMは「コインベースアセットマネジメント(Coinbase Asset Management/CBAM)に名称変更される。コインベースは今後、CBAMを通し、新規・既存の機関投資家向けに暗号資産投資顧問サービスを提供していくという。なお、買収額等の詳細は明かされていない。

発表によると、コインベースは機関投資家取引量を1300億ドル(約17.6兆円)以上、機関投資家の資産を500億ドル(約6.7兆円)以上保有しているという。また、2022年第4四半期(10~12月)現在報告されている運用資産で、世界のヘッジファンド上位100社のうち、約25%に採用されていると発表した。

両社は声明で「コインベースとORDAMは、慎重なリスク管理に基づいた倫理観を共有している。この特性により私たちは昨今の市場の混乱をうまく乗り切ることができた。文化的にも私たちは、安全性と健全性に妥協することなく、デジタル資産の機会を追求することに関して強く連携している」と述べている。

ORDAMとは

ORDAM(現CBAM)は2013年に創設された、投資企業「ワンリバーアセットマネジメント(One River Asset Management)」のデジタル部門の子会社だ。米証券取引委員会(SEC)にも登録されている。両社CEOを務めるエリック・ピーターズ(Eric Peters)氏が、引き続き在任するという。なおワンリバー・アセットマネジメントは、独立した企業のまま存続する。

両社のつながり

コインベースとORDAMは、過去にも深いつながりがある。コインベースはORDAMへ、機関投資家・暗号資産投資企業向けサービス「Coinbase Prime(コインベースプライム)」と「Coinbase Custody(コインベースカストディ)」を提供していた。またコインベースベンチャーズは2021年9月、シリーズAラウンドの主導投資家としてORDAMに投資している。

コインベースは2月、2022年第4四半期の損益計上を報告。純収益として6億500万ドル(約815.3億円)を計上。なお前年同期には24億9000万ドル(約3354.4億)を計上していた。

また2月23日には、独自開発したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワーク「Base(ベース)」のテストネット公開。「Base」の目標は「10億人以上のユーザーを暗号資産経済に取り込むこと」と述べられている。

関連ニュース

参考:コインベース
デザイン:一本寿和

images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ