三菱ケミカルやNTTデータら、ブロックチェーンで食品サプライチェーン追跡

三菱ケミカルらがブロックチェーンで食品生産サプライチェーン追跡

三菱ケミカルやNTTデータらが、ブロックチェーンを活用した国産食品のトレーサビリティシステムの実証試験を開始することが分かった。

同社らの「スマートフードチェーンシステム」により、国内における生産者や物流倉庫、小売店において、トレーサビリティ情報として輸送経路、輸送時の温度や衝撃等の情報を取得し管理を行うとのこと。そして日本の農林水産物や食品の意味的価値を向上させ輸出の拡大を行うとともに、フードロスの削減につなげることを目指しているという。

なおシステムには、NTTデータのブロックチェーンソリューション「BlockTrace for Cold Chain」およびDXプラットフォーム「iQuattro(アイクワトロ)」が採用されているとのこと。

また温度履歴を記録する「RFID温度ロガータグ(ラベル)」と慶應義塾大学SFC研究所が開発したスマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis(ウカビス)」を接続し、その情報を当該のブロックチェーン活用の「スマートフードチェーンシステム」へ書き込むことで、温度管理を可能としたという。

このシステムは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」による研究開発モデル事業に採択されたプロジェクト「スマートフードチェーンプラットフォームの構築」により、2018年10月から開発が進められていたようだ。今回の実証に利用するのは、そのプロトタイプとのことだ。

このプロジェクトは三菱ケミカルがリーダーで、NTTデータ、沖縄セルラー アグリ&マルシェ、タキイ種苗、堀場製作所、ヤマト運輸によって構成された研究グループ『SIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」 スマートフードチェーンコンソーシアム 大項目3輸出プラットフォーム』が取り組んでいる。

関連ニュース

日本産食品をブロックチェーンで追跡管理、SBIトレーサビリティが「SIMENAWA」開発

イギリスで食品エコシステムのデジタル化目指すコンソーシアム「SecQuAL」発足

日本酒「梵」の不正流通をブロックチェーンで防ぐ、SBIとサトー

ローソン、上海店舗販売の「おにぎり」をブロックチェーンで米産地証明

「あまおう」輸出をブロックチェーンで、chaintopeらのトレーサビリティ実証成功

参考:三菱ケミカル
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Who_I_am・Sushiman

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる