リキッド・ネットワークのBTC準備資産が完全回復、9月の不正流出による不足解消

リキッド・ネットワークのBTC準備資産が完全回復

ビットコイン(Bitcoin)のサイドチェーン「リキッド・ネットワーク(Liquid Network)」を運営するリキッド・フェデレーション(Liquid Federation)が、9月の不正流出によって不足していたBTC準備資産の完全回復を11月3日に発表した。これにより、すべてのLBTCについてBTCによる1対1の裏付けが再確立された。

また、参加するスワッププロバイダーを通じたBTCとLBTCの交換(スワップ)は、準備資産の完全回復に先立つ数週間前から再開されている。 参加するスワッププロバイダーを通じたBTCとLBTCの交換は、準備資産の完全回復に先立つ数週間前から再開されている。

リキッド・ネットワークは、BTCの高速な送金やステーブルコイン、トークン化証券などの発行・取引を可能にするビットコインのサイドチェーンだ。ビットコイン関連インフラ企業ブロックストリーム(Blockstream)が開発したソフトウェア「エレメンツ(Elements)」を基盤とし、複数の企業・組織からなるリキッド・フェデレーションによって運営されている。

同ネットワークでは、ユーザーがBTCをビットコインのネットワーク上で預け入れ、所定の手続きを経ることで、対応するLBTCを受け取れる。LBTCはリキッド・ネットワーク上で利用するBTCに相当する資産で、流通量と同量のBTCを準備資産として保管することで、1対1の交換を可能にする仕組みだ。

今回の準備資産の不足は、9月6日に発生した不正流出に起因する。ブロックストリームが9月23日に公表したインシデント報告書によると、攻撃者はエレメンツの脆弱性を悪用し、BTCによる裏付けのない約4,000 LBTCを不正に生成した。その後、これらを利用して約4,000 BTCを引き出し、フェデレーションのBTC準備資産は約4,205 BTCから約197 BTCまで減少した。

攻撃者は翌9月7日16:00頃(UTC)に約3,400 BTCを返還したものの、約600 BTCが未返還となった。一方、ブロックストリームは脆弱性を修正したエレメンツの新版を9月9日に公開し、同日21:00頃(UTC)からブロック生成が再開された。翌10日には通常の取引も再開されたが、BTCを引き出すペグアウトは引き続き停止され、その後、段階的に復旧が進められた。

準備資産の不足分は、その後、段階的に補充された。モウ氏は補充されたBTCの供給元がブロックストリームであると説明している。同氏は11月3日の投稿で300 BTCの追加送金を報告し、不足額が250 BTCまで減少したと説明していた。その後、残る不足分も解消され、準備資産の完全回復に至った。

なお、LBTCをBTCに戻す方法には、事業者を介したスワップと、認証を受けた参加組織がフェデレーションの仕組みを通じてBTCを引き出すペグアウトがある。リキッド・フェデレーションは10月20日、直接のペグアウトを制限したまま、スワップの再開を進めると発表していた。一方、同フェデレーションの理事会メンバーであるサムソン・モウ(Samson Mow)氏は10月29日、前週からメンバー向けに半自動化されたペグアウトが実施されていたと説明した。なお、スワップ事業者のサイドスワップ(SideSwap)は11月3日時点で、フェデレーションの通常のペグアウトには引き続き制限があると説明している。

また、リキッド・フェデレーションは、BTC準備資産を独立して検証できると説明している。ユーザーは自身でノードを運用して準備資産証明(Proof of Reserves)を検証できるほか、公開ダッシュボードでも残高を確認できる。11月4日の確認時点では、流通するLBTCが約4,273.70 LBTC、BTC準備資産が約4,273.98 BTCで、準備資産比率は100.006%となっていた。

リキッド・フェデレーションは今後、ガバナンス体制の近代化、責任分担と監督体制の明確化、技術面・運用面での追加的な安全対策を進める方針だ。取り組みの詳細については、数週間以内に公表する予定だ。

参考:リキッドネットワーク
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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