リップル、製品売上高は年換算9億ドルへ。BNYやロビンフッドと連携拡大

複数サービスを併用する顧客・パートナーが2026年に3倍に

米リップル(Ripple)が、2026年末時点の製品売上高が年換算で9億ドル(約1,420億円)に達する見通しだと10月28日に発表した。

この9億ドルは、2026年末に見込まれる売上ペースが、そのまま1年間続いたと仮定した場合の金額だ。

リップルは同日の公式Xで、2026年を「これまでで最高の年」と表現した。2025年の戦略的買収や既存製品の成長を踏まえ、2026年は各サービスの統合に注力しているという。

リップルによると、同社は85以上のライセンスを保有し、1,700以上の金融機関・企業にサービスを提供しているという。決済、カストディ(資産保管)、ステーブルコイン、機関投資家向けの取引・資金調達支援、企業財務管理など、複数のサービスを併用する顧客・パートナー数は2026年に3倍になったとのことだ。

またリップルによると、2025年に同社の製品全体を通じて行われた取引額は16兆ドル(約2,525兆円)を超えたとのこと。

同社は、60以上の送金先市場に対応する「リップル・ペイメンツ(Ripple Payments)」を提供している。この送金ネットワークの累計取引額は、2026年末までに1,500億ドル(約23.7兆円)に迫る見通しだという。

提携先の米大手銀行BNYとの協業では、BNYの機関投資家向けカストディ基盤が、暗号資産(仮想通貨)XRPと米ドル建てステーブルコイン「リップルUSD(Ripple USD:RLUSD)」に対応した。BNYは従来、RLUSDの準備資産の主要カストディアンを務めている。

さらに両社は、パブリックブロックチェーン「XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)」上で、売掛債権などの貿易金融資産をトークン化する取り組みを進める方針だ。最初の取り組みとして、企業の運転資金を扱うプラットフォーム「C2FO」と、サプライチェーン金融の仕組みを検討している。

米投資アプリ運営のロビンフッド(Robinhood)との提携では、RLUSDが「ロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)」と、同社傘下の暗号資産取引所「ビットスタンプ(Bitstamp)」で利用可能になった。ロビンフッドアプリでは2026年内の対応を予定している。

ロビンフッドはXRPL上のRLUSDを機関投資家向け取引の精算に活用するほか、財務管理基盤「リップル・トレジャリー(Ripple Treasury)」を導入し、世界各地の資金・流動性管理などを自動化する予定だ。また機関投資家向け取引支援サービス「リップル・プライム(Ripple Prime)」を通じた融資などでもすでに連携している。

リップル・トレジャリーでは、資金管理、予測、流動性管理、決済を連携させる新たな機能も発表された。利用条件を満たす企業が、銀行の営業時間外にもRLUSDなどを通じて運転資金を運用できる「24/7リターンズ(24/7 Returns)」が含まれる。

リップルは今回の発表で、RLUSDの時価総額が年初来88%超増加し、26億ドル(約4,104億円)に拡大したことも報告した。RLUSDは同社の各サービスで利用されているという。

また同社は10月26日、米通貨監督庁(OCC)から「リップル・ナショナル・トラスト・バンク(Ripple National Trust Bank:RNTB)」の設立に向けた最終承認を得たと発表している。承認された業務には、RLUSDを裏付ける分別管理された準備資産の管理や、信託業務としてのデジタル資産カストディが含まれる。RLUSDの発行は引き続き、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の監督を受けるリップル傘下のスタンダード・カストディ&トラスト・カンパニー(Standard Custody & Trust Company)が担う。

なお、米格付け会社ムーディーズ・レーティングス(Moody’s Ratings)が、RLUSDに長期預金格付け「A2」と短期預金格付け「P-1」を付与したと10月27日に発表している。A2は信用リスクが低いと評価される投資適格の区分で、P-1は短期格付けの最上位に当たる。

格付けの対象は、SCTCがXRPLとイーサリアム(Ethereum)上で直接発行するRLUSDに限られる。ムーディーズは、準備資産の信用力や流動性、償還の仕組み、分別管理などを評価したとしている。

参考:プレスリリース・リップル公式発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。