サークルのUSDC、EUのMiCAに基づく初の「重要な電子マネートークン」に

11月12日からEBAと仏ACPRの二重監督へ

欧州銀行監督機構(EBA)が、米サークル(Circle)の米ドル連動ステーブルコイン「USDC」を、欧州連合(EU)の暗号資産規制法「MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)」に基づく「重要な電子マネートークン(significant e-money token)」に分類したと10月14日に発表した。

対象は、サークルの欧州法人サークル・インターネット・フィナンシャル・ヨーロッパ(Circle Internet Financial Europe SAS)が発行するUSDCだ。EBAによると、EUでは現在45の電子マネートークン(EMT)がMiCAに基づき届け出られており、「重要なEMT(s-EMT)」に分類されたのはUSDCが初めてとなる。

s-EMTは、MiCAで定められた基準に基づく規制上の分類だ。該当するトークンの発行者には、流動性や自己資本などに関する追加要件が適用される。

今回の分類に伴い、USDCは11月12日から、EBAとフランスの健全性監督破綻処理機構(ACPR)による二重監督の対象となる。

具体的には、自己資本、準備資産、流動性要件、再建・償還計画に関する直接監督の権限が、ACPRからEBAへ移管される。一方、ガバナンス、主要株主、経営陣などの適格性審査、外部委託、利益相反などの監督は、ACPRが引き続き担う。両当局は、円滑な移行と効果的な監督に向けて連携するという。

またEBAは、国境を越えたステーブルコイン事業の監督に向け、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)と覚書(MoU)を締結したことも明らかにした。この覚書により、両当局間の協力と情報交換を促進するという。

USDCを巡っては、MiCAの枠組みの下で、銀行を通じた利用環境の整備も進められている。英決済インフラ企業クリアバンク(ClearBank)の欧州子会社クリアバンクヨーロッパ(ClearBank Europe)は4月9日、サークルの発行・償還プラットフォーム「サークルミント(Circle Mint)」を導入し、USDCとユーロ連動ステーブルコイン「EURC」へのアクセスを顧客に提供する方針を発表した。

同社は、このサービス提供に向け、MiCAに基づく暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー(CASP)の届出をオランダの金融市場庁(AFM)に対して完了したとしている。欧州の顧客が、規制された銀行環境の下で法定通貨とデジタル資産を相互に交換できるようにするという。

参考:EBA
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。