ロシア財務省、一部職員への給与をデジタルルーブルで支給開始

ロシア財務省、一部職員がデジタルルーブルで給与受給

ロシア財務省(Ministry of Finance of the Russian Federation)の一部職員が、同省で初めて、給与を中央銀行デジタル通貨(CBDC)の「デジタルルーブル」で受け取った。同省が10月2日に発表した。

給与の支給は10月1日に行われた。対象となった職員は、給与となるデジタルルーブルを受け取るため、ロシア中央銀行(Bank of Russia)が運営するプラットフォーム上にデジタルルーブル口座を開設した。なお、今回の給与の受け取りは、職員本人の希望に基づくものとのことだ。

デジタルルーブルは、ロシア中央銀行が発行するルーブルのデジタル形式で、現金と非現金のルーブルに加わる新たな形態に位置付けられている。1デジタルルーブルは、現金や非現金の1ルーブルと同じ価値を持つ。一方、銀行預金とは異なり、利用者のデジタルルーブルは各銀行ではなく、ロシア中央銀行が運営する共通プラットフォーム上の口座で管理される。利用者は同プラットフォームに接続した銀行のアプリなどを通じて口座を開設し、デジタルルーブルの受け取りや送金、支払いなどを行う。給与の受け取りについても、ロシア国民は本人の希望に応じてデジタルルーブルを選択できると、ロシア財務省は説明している。

ロシア政府はデジタルルーブルの本格展開に先立ち、予算執行での利用を試験してきた。ロシア財務省と連邦財務局(Federal Treasury)は2025年、連邦予算からデジタルルーブルによる支払いを実施した。具体的には、給与や学生への奨学金、一部の政府契約に基づく支払いにデジタルルーブルを使用した。このため、今回がロシアで初めてデジタルルーブルを給与に利用した事例ではない。

さらに2026年1月からは、連邦政府の公的機関が、連邦予算などからの支払いにデジタルルーブルを幅広く利用できるようになった。また、連邦予算への支払いや、一部の公的機関が提供するサービスへの支払いにもデジタルルーブルを利用できるようになった。

その後、ロシアでは9月1日にデジタルルーブルの本格的な展開が始まった。この段階導入は、2025年7月に成立した連邦法に基づくものだ。まず大手銀行が、顧客によるデジタルルーブル口座の開設や送金、支払いなどに対応を開始した。また、大手銀行の顧客で、前年の年間売上高が1億2,000万ルーブルを超える一定の事業者にも、デジタルルーブルによる支払いへの対応が求められている。対象となる銀行や事業者は今後、段階的に拡大する予定だ。

参考:ロシア財務省
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。