大阪府、ステーブルコイン決済など4事業に補助金。ハッシュポートやマイナウォレットら採択

JPYC・USDCの実店舗決済を府内で実証へ

大阪府が、「大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」の2026年度補助対象として、4事業への交付を決定したと8月26日に発表した。

同補助金は、ブロックチェーンやAIなどの技術を活用した新たな金融サービスについて、大阪府内での実証実験を支援するもの。目的は、企業経営の効率化や府民の利便性向上、国際金融都市としての大阪の魅力向上だという。大阪府は7月1日、同補助金の公募を開始し、同月31日まで申請を受け付けていた。

今回は12事業からの応募があり、ハッシュポート(HashPort)、マイナウォレット、ミアット(Mi&T)、SBI XDC Network APACの4事業が選ばれた。交付決定額は総額2,889万円。このうち3事業では、円建てステーブルコイン「JPYC」や米ドル建てステーブルコイン「USDC」を使った決済が実証される。

ハッシュポートは、ステーブルコインを活用した決済・清算システムを実証する。店舗がステーブルコインで代金を受け取り、最終的に日本円で清算する仕組みのほか、第三者が代金を一時的に預かり、契約条件の履行確認後に売り手へ資金を移すエスクロー型決済にも対応する二動線決済APIや履行統制機能を実装するという。

実証では、大阪府内の小売店やレストランでJPYC、USDCなどによる決済を受け付けるほか、ECサイトでエスクロー型決済を検証する。実施時期は2027年1月から3月までの間で、1週間以上を想定している。ハッシュポートへの交付決定額は1,000万円だ。

マイナウォレットは三井住友カードと共同で、マイナンバーカードで本人確認を行い、デジタル通貨などを管理できるスマートフォンアプリ「マイナウォレット」によるステーブルコイン決済を実証する。

同実証では、JPYCとUSDCによる決済を、三井住友カードのオールインワン決済端末「ステラターミナル(stera terminal)」上で行う。JPYCに加え、訪日外国人への対応を想定してUSDCにも対応するという。実施時期は2026年10月から2027年2月ごろまでで、大阪府内のイベント施設や商業施設を候補としている。交付決定額は764万円だ。

大阪公立大学発ベンチャーのMi&Tは、同大学のキャンパス周辺にある飲食店や小売店5店舗程度で、JPYCによる実店舗決済を実証する。決済に応じた利用者への還元や店舗業務の効率化を検証し、将来的には府内の商店街や地域店舗への展開を目指すという。実施期間は2026年11月中旬から2027年3月中旬までで、交付決定額は125万円となっている。

SBI XDC Network APACは、TOPPANを共同事業者、Gincoを協力事業者として、法人デジタル証明書「vLEI(Verifiable Legal Entity Identifier:検証可能な取引主体識別子)」の発行・検証基盤をもとにしたKYB(企業間取引における実体確認)スキームと、輸出ファクタリング取引のオンチェーン化を組み合わせる実証を行う。

同実証では、大阪府内の中古自動車部品輸出業者を事例として、KYBからファクタリングの実行、代金回収までの一連の手続きをブロックチェーン上で行う仕組みを検証する。本番実証は2027年1月から3月までを予定しており、交付決定額は1,000万円だ。

なお同補助金の補助率は対象経費の2分の1以内で、1事業当たりの上限額は1,000万円。大阪府は、事業の先駆性や優位性、計画の実現性、実証後の事業化見通しなどを踏まえ、今回の4事業を選定したとしている。

参考:大阪府交付決定事業一覧
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。