銀行のオンチェーン活用には「機密性の確保」が課題との見方
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)からスピンアウトしたスタートアップ、イーサシステムズ(EthSystems)が、銀行などの金融機関によるパブリックブロックチェーンの活用には、プライバシー技術が不可欠との考えを示した。「コインデスク(CoinDesk)」が7月28日に報じた。
パブリックブロックチェーンとは、イーサリアムなどのように、誰でもネットワークに参加でき、取引履歴も公開されるブロックチェーンだ。一方で、金融機関は顧客情報や取引条件などの機密情報を扱うため、そのままでは利用しにくいという課題がある。
報道によるとイーサシステムズ共同創業者兼CEOのモー・ジャリル(Mo Jalil)氏は、銀行などの金融機関がパブリックブロックチェーンを本格活用するうえで、スケーラビリティではなく、機密性の不足が最大の障壁になっているとの認識を示したという。
同氏は、金融機関がパブリックブロックチェーンを利用するには、必要な相手にのみ取引情報を開示できるプライバシー技術が重要になると指摘。こうした技術により、規制要件を満たしながらパブリックブロックチェーンを利用しやすくなるとの考えを示した。
近年は、ステーブルコインやトークン化資産(RWA)の発行・決済基盤として、パブリックブロックチェーンを利用する金融機関が増えつつある。一方で、銀行などの金融機関が本格的に活用するには、機密情報を保護できる仕組みの整備が重要になるとの見方が示された。
なお、イーサシステムズは今月14日、イーサリアム財団が設置していた「機関向けプライバシー・タスクフォース(Institutional Privacy Task Force:IPTF)」を運営してきたチームが独立する形で設立された営利企業だ。同社は、金融機関向けにイーサリアムを活用したプライバシー技術やシステムの開発・提供を行う。
また、既存のプライバシープロジェクトと競合するのではなく、顧客のニーズに応じて適切な技術を組み合わせる方針とのこと。特定の製品のみを提供するのではなく、複数の技術を活用したソリューションを提供する考えも示された。
参考:コインデスク
画像:PIXTA