コミュニティ投票で初のネットワークアップグレード
カルダノ(Cardano)が、メインネットをプロトコルバージョン11(Protocol Version 11)へ更新する「ヴァン・ロッセム(van Rossem)」ハードフォークを7月18日21:44:51(UTC)に実施した。カルダノコミュニティ(Cardano Community)公式アカウントで7月20日に発表された。
このハードフォークは、ADA保有者から投票権を委任された代表者(DRep)、ステークプールオペレーター(SPO)、憲法委員会(Constitutional Committee)の3主体による完全なオンチェーンガバナンス体制の下で実施された初のネットワークアップグレードとなる。
なお、2025年1月の「プロミン(Plomin)」ハードフォークも、SPOと暫定憲法委員会によるオンチェーン投票を経て実施され、カルダノ公式資料では「初のコミュニティ主導ハードフォーク」と位置付けられている。ただし、ADA保有者から投票権を委任された代表者(DRep)の投票機能は、プロミンによって本格導入された。そのため、DRepを含む現行の3主体がそろって承認したハードフォークは、ヴァン・ロッセムが初となる。
このハードフォークの主な変更点は、カルダノ上で分散型アプリケーション(DApps)のスマートコントラクトを実行する基盤「プルータス(Plutus)」の機能拡張だ。スマートコントラクトの実行性能向上や実行コスト削減につながることが期待されている。
具体的には、プルータス V1、V2、V3で利用できる組み込み機能が統一された他、新たなデータ処理機能や暗号機能が追加された。これにより、既存のスマートコントラクトとの互換性を維持しながら新機能を利用できるようになり、開発効率や処理性能の向上につながるとのこと。
また、台帳(Ledger)やカルダノノードについても、ステークプールで使用するVRFキーの重複を防ぐルールや、憲法委員会による許可されていない投票を台帳レベルで排除するルールなどが追加され、ネットワークのセキュリティやガバナンス機能も向上した。
ヴァン・ロッセムは、次の大型アップグレードとなる「ダイクストラ(Dijkstra)」時代への基盤を整えるものとも位置付けられている。ダイクストラでは、カルダノが開発を進める次世代スケーリング技術「ウロボロス・レイオス(Ouroboros Leios)」のメインネット導入が目指されている。なお、今回のハードフォーク自体に同技術は含まれていない。
なおプロトコルバージョンは10.0から11.0へ更新された一方で、カルダノの開発段階を示す「時代(Era)」は引き続きコンウェイ(Conway)時代が維持され、新たな時代への移行は行われていない。
ハードフォーク名「ヴァン・ロッセム」は、2025年10月に死去したカルダノコミュニティの開発者、マックス・ヴァン・ロッセム(Max van Rossem)氏にちなむもの。同氏はオンチェーンガバナンスの整備やコミュニティ活動、開発などに携わり、カルダノの発展に貢献した人物として知られている。
Historic milestone achieved. ⛓️
— Cardano Community (@Cardano) July 20, 2026
The ‘van Rossem’ hard fork (Protocol Version 11) is enacted on Cardano Mainnet! A first for Cardano: a network upgrade proposed, voted on, and ratified entirely through on-chain governance, with DReps, SPOs, and the Constitutional Committee all… pic.twitter.com/mgWfnWCwot