暗号屋、銀行振込で利用できるステーブルコイン決済「すてぶるペイ」提供へ

ウォレット不要で日本円建てステーブルコイン決済を導入可能に

国内ブロックチェーン関連開発企業の暗号屋が、日本円の銀行振込で支払えるステーブルコイン決済サービス「すてぶるペイ(STBLpay)」の提供予定を7月10日に発表した。ECサイトやオンラインサービス向けに、2026年8月の提供開始を予定している。

すてぶるペイは、ECサイトやオンラインサービスへ日本円建てステーブルコイン決済を追加できるサービスだ。決済には、JPYC社発行の日本円建てステーブルコイン「JPYC」を利用する。

同サービス利用者は、ECサイトで支払い内容をパスキー(顔・指紋認証)で承認したうえで、JPYC社運営のJPYC発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」の画面に表示された口座へ日本円を銀行振込する。銀行振込の着金が確認されると、JPYC EXを通じて利用者本人の残高へJPYCが発行され、事前の承認に基づいて加盟店へ送金される。利用者自身で暗号資産ウォレットやJPYC、ガス代を事前に用意する必要はなく、秘密鍵やシードフレーズの管理も求めない体験を目指している。暗号屋は、ブロックチェーンや暗号資産に関する知識がなくても利用できると説明している。

暗号屋は、これまでのブロックチェーン決済では、ウォレット管理やガス代、ブロックチェーン上での操作などが、一般の利用者や事業者にとってハードルになっていたと説明している。同社は、こうした技術的な複雑さをできるだけ利用者に意識させず、ステーブルコイン決済を利用できる環境の提供を目指すとのことだ。

JPYCは、資金決済法上の「電子決済手段」に該当する。利用者は初回利用時にJPYC EXのアカウントを開設し、本人確認を行う必要がある。現行のJPYC EXの仕様では、JPYCの新規発行は1回3,000円以上となる。3,000円未満の購入では3,000円以上を発行し、差額は利用者のJPYC残高に残る。また、初期版の利用対象は日本国内の居住者で、海外居住者は当面対象外となる。

加盟店は、SDK(ソフトウェア開発キット)を自社サービスへ組み込み、利用規約への同意と売上受取先の登録を行うことで、すてぶるペイを導入できる。カード会社による加盟店審査を経る必要はなく、売上はJPYCで受け取れるという。また暗号屋は、カード起因のチャージバックの仕組み自体がない点も、同サービスにおける特徴として挙げている。ただし、返金が必要な場合は、加盟店がJPYCの返送や銀行振込などで購入者へ直接対応する。加盟店が受け取ったJPYCは、加盟店自身のJPYC EXアカウントを通じ、1単位当たり1円で日本円へ償還できるとのことだ。

暗号屋は、キャッシュレス決済が普及する一方で、加盟店が特定の決済事業者へ依存することによる課題もあると説明している。そのうえで、同社はステーブルコイン決済を新たな選択肢として提供したい考えを示している。

なお暗号屋は、7月13日から14日に開催されたWeb3カンファレンス「WebX2026」にシルバースポンサーとして出展し、「すてぶるペイ」のデモ展示や導入相談を実施した。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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