ハッシュポート、企業向けステーブルコイン決済を機能拡張。ウォレットからプライバシー送金可能に

外部ウォレット対応や動的QRなど5機能を順次提供

ブロックチェーン関連事業を手がけるハッシュポート(HashPort)が、企業・店舗向けステーブルコイン決済サービス「ハッシュポート・ウォレット・フォー・ビズ(HashPort Wallet for Biz)」へ5つの新機能を7月13日から順次提供開始すると同日に発表した。同社調べでは、日本初となるステーブルコインのプライバシー決済機能も含まれる。

ハッシュポート・ウォレット・フォー・ビズは、企業や店舗がJPYCやUSDCなどのステーブルコイン決済を導入するためのサービスだ。ハッシュポートは同サービスを今年1月より提供開始していた。しかし同サービスの導入店舗が増える中で、外部ウォレットへの非対応や売上管理、返金対応、取引プライバシーなど実運用上の課題発生したとのこと。これに対応するため、ハッシュポートは今回の機能拡張を実施する。

今回のアップデートで注目されるのが、ステーブルコイン決済のプライバシー機能だ。パブリックブロックチェーンでは、取引履歴を公開してネットワーク全体で検証する仕組みを採用しているため、通常は送金先や利用した店舗などの情報を第三者が確認できる場合がある。そのため、医療機関など利用した事実そのものを公開したくないケースでは、プライバシー保護が課題になっていたという。

この課題に対応するためハッシュポートは、7月13日のアップデートでハッシュポート・ウォレットの「DApps」タブから、プライバシー送金サービス「zERC20」(提供:zERC20 Limited)へアクセスできる機能を提供する。利用者はウォレットコネクト(WalletConnect)を通じて同機能を利用できる。送金者と受信者の関連性を切り離すことで、JPYCやUSDCなどの送金時にプライバシーを保護可能となる。また、zERC20は、米財務省外国資産管理局(OFAC)の制裁対象アドレスをブロックする機能や、必要に応じて取引情報を開示できる選択的開示機能も備えるとのこと。

その他ハッシュポート・ウォレット・フォー・ビズは、メタマスク(MetaMask)やユニフィ(Unifi)など外部ウォレットからの決済に対応する。また、店舗が会計に利用するステーブルコインや対応ブロックチェーン、決済金額を設定して決済用QRコードを生成する動的QRコード機能を追加する。また、売上や取引履歴の確認、返金操作を行える「ビジネス」タブも提供する。なお、外部ウォレット対応は2027年1月まで試験運用を行う予定だ。外部ウォレットが利用できるのは動的QRのみで、外部ウォレットから支払う場合はチェーンを問わず利用者がガス代を負担する。

さらにハッシュポート・ウォレット・フォー・ビズは、8月下旬に日本円建てステーブルコイン「JPYC」と米ドル建てステーブルコイン「USDC」について、アバランチ(Avalanche)およびイーサリアム(Ethereum)での決済へ対応する予定だ。なお、両チェーンでの決済は、ハッシュポート・ウォレットを利用する場合でもガス代が利用者負担となる。

また、同サービスにおける新機能を活用したステーブルコイン決済については、東京都港区の「369CLINIC(7/22開業予定)」と千葉県船橋市の「津田沼前原コウノ歯科・矯正歯科」が7月中に順次試験導入する予定だ。本格実装については、利用状況や規制・コンプライアンスの動向を踏まえて今後検討するとのことだ。

ちなみに369CLINICではJPYCとUSDCに対応し、訪日外国人などが外貨両替や国際送金を介さずに支払える環境を整備する。一方、津田沼前原コウノ歯科・矯正歯科ではJPYC決済に対応し、高額診療における支払い手段の多様化を目指す。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。