子会社化により証券ライセンスと投資家基盤を獲得
東証スタンダード上場のメタプラネット(Metaplanet)が、Siiibo(シーボ)証券社の発行済株式すべてを取得し、同社を完全子会社化する予定だと6月12日に発表した。株式譲渡の実行日は7月13日の予定で、完全子会社化手続きの完了は8月下旬が見込まれている。
発表によるとシーボ証券の取得価額は21億円。取得完了後、商号は「Siiibo証券株式会社」から「株式会社メタプラネット証券(Metaplanet Securities)」に変更予定とのことだ。
メタプラネットによると、今回の買収は、ビットコイン(BTC)を中核とした金融エコシステムの構築を目指す中長期戦略「プロジェクト・ノヴァ(Project Nova)」における初の本格的なM&A案件として位置付けられている。
同社は今回の買収を通じて、BTC連動型債券などのインカムゲイン型商品の開発・提供を目指すとしている。また、セキュリティトークン(ST)などのデジタル金融商品の組成・販売についても段階的に検討するとのことだ。
シーボ証券は2019年設立の第一種金融商品取引業者で、私募社債を中心としたオンライン証券プラットフォームを運営している。同社はベンチャー企業向け社債分野で40社・100銘柄以上の発行支援実績を有しており、企業と投資家をつなぐオンライン社債市場を展開している。
メタプラネットは、シーボ証券が保有する第一種金融商品取引業登録や既存の顧客基盤を活用することで、ビットコイン関連金融商品の提供体制を構築する考えだ。
メタプラネットの代表執行役CEOであるサイモン・ゲロヴィッチ(Simon Gerovich)氏は自身のXアカウントにて、「シーボの第一種金融商品取引業登録とオンラインマーケット証券プラットフォームをグループに取り入れることで、当社は日本投資家に直接ビットコイン関連の利回り商品を開発・提供します」と述べている。
また同氏は、日本の家計が多額の現金や預金、低利回り商品を保有していることに触れ、「日本がデフレからインフレに移行する中で、その資本は利回りを求めて動き始めている」との認識を示した。そのうえで、同社が保有するビットコインを活用し、新たな利回り機会の提供を目指す考えを示している。
なおメタプラネットは2026年5月末時点で40,177BTCを保有している。同社によると、これは世界第3位、日本第1位の企業ビットコイン保有量にあたるという。また同社は、保有BTCの価値を基準とした指標も開示している。記事執筆時点でBTC NAV(保有BTCの純資産価値)は約25.5億ドル(約4,086億円)、EV(企業価値)は約22.4億ドル(約3,589億円)となっている。EVをBTC NAVで割った「EV/mNAV」は0.88倍となっている。
同社は、今回の株式取得に係る資金について、手元現金および借入金を基本とし、必要に応じて保有ビットコインを担保とする上限5億ドル(約801.2億万円)の借入枠を補完的に活用する方針を示している。また、今回の取得が2026年12月期連結業績に与える影響は軽微と見込まれている。
We are pleased to announce that Metaplanet has entered into an agreement to acquire 100% of Siiibo Securities, a licensed Type I securities firm and a pioneer of Japan’s online corporate bond market. Following closing, expected in July, the company will be renamed Metaplanet… pic.twitter.com/1S6o2GXjP1
— Simon Gerovich (@gerovich) June 12, 2026