ストラテジーCEO、ビットコイン売却は「プロセスの検証が目的」と説明=CNBC

「必要なら売却する」と明言

上場企業によるビットコイン(BTC)保有数で世界第1位のストラテジー(Strategy)のCEO、フォン・レ(Phong Le)氏が、6月11日にCNBCの「パワーランチ」に出演し、同社が2022年12月以来初めてビットコインを売却したことへの批判に対し、反論した。

レ氏は今回の売却について、「市場に免疫をつけ、プロセスを検証したかった。すべてが機能することを確認できた」と述べ、意図的かつ限定的な取り組みだったと強調した。

ストラテジーは5月26日から31日にかけて、32BTCを約250万ドル(当時約4億円)で売却した。1BTCあたりの平均売却価格は約7万7,135ドル(当時約1,232万円)で、売却代金は優先株(STRC)の分配支払いに充てられる見込みだという。この売却量は同社の総保有量のわずか0.004%にとどまるものの、市場では大きな反響を呼んだ。

レ氏は売却の理由として、必要時に売却できることの証明、ビットコイン売却に関する社内システムの動作確認、低コストで取得したビットコインの損失計上による節税機会の創出の3点を挙げた。同社は1BTCあたり1万ドルから12万5,000ドルの価格帯でビットコインを取得してきた経緯がある。

また、財務的な問題による売却ではないことも強調した。「配当支払いのためにビットコインを売却する必要はなかった。他の資金調達活動で対応できる」と語った。

批判への反論として、「普通株主、優先株主、債権者、ビットコイン保有者など、対応すべきステークホルダーが複数存在する。普通株主にとって売却が合理的であれば、売却する」と明言。反発の声が大きいのは個人投資家や「クリプトアナーキスト」と呼ばれる永続的なホールドを信条とする層であり、「直接対話している機関投資家は動揺していない」と述べた。

一方でレ氏は、売却期間中に約1,500BTCを純購入しており、売り越しではないとも説明した。実際、ストラテジーは6月8日に追加購入を発表。6月1日から7日にかけて1,550BTCを約1億130万ドル(約162億円)で取得し、6月7日時点の総保有量は84万5,256BTC、取得総額は約639.7億ドル(約10.2兆円)に達している。

マクロ環境についても言及し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ動向をめぐる不確実性、2つの地政学的紛争、そして米議会での暗号資産関連法整備の遅れを現在のビットコイン価格の逆風として挙げた。それでも長期的には強気姿勢を崩さず、「ビットコインはインフレへの、そして大きな政府へのヘッジになると考えている」と語った。

なお、ストラテジーの会長マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は6月12日、チェコで開催中のビットコイン専門カンファレンス「BTC Prague」にて、ビットコイン売却をめぐる議論にコメント。セイラー氏は、会社がビットコインを売ってはいけないと言ったことは一度もないと述べ、同氏がこれまで繰り返してきた「ビットコインを売るな」というメッセージは個人投資家に向けた助言であり、企業としてのストラテジーの方針とは切り離して理解すべきだと述べている。

参考:CNBC
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者