アプトスが「市場とAI」向け戦略強化へ、50Mドル超投資

アプトスが「市場とAI」向け戦略を発表

レイヤー1ブロックチェーン「アプトス(Aptos)」を支援するアプトス財団(Aptos Foundation)および同チェーンの主要開発企業のアプトスラボ(Aptos Labs)が、アプトスエコシステムに対し、5,000万ドル(約78.5億円)超を投資すると5月8日に発表した。

投資対象には、ファーストパーティ製品、研究、プロトコルインフラ、トレーディングおよびAI関連パートナー向け戦略ファンドなどが含まれるとのことだ。

アプトス財団は今回の発表で、今後のオンチェーン需要について、「機関投資家レベルの実行性能を必要とする市場」と「機械速度で取引を行う自律型システム」の2分野が中心になるとの見方を示した。

同財団は、「市場はオンチェーンへ移行し、機械が主要参加者になる」と説明した。そのうえで、アプトスは金融市場およびAI向けシステムの両方に向けて構築されたチェーンだとしている。

アプトス財団は、自律型AIエージェントがすでに人間を上回る頻度でオンチェーン取引を行っていると説明している。同財団によると、AIエージェントは最も高速かつ安定した取引環境へ自律的に接続するため、サブ秒ファイナリティ、高負荷時でも安定した処理性能、MEV(最大抽出可能価値)対策、機密性などが重要になるという。

また同財団は、現在はトレーディングが主要なAI向けユースケースになっている一方、今後はAI学習用データの売買やエージェント間取引など、データ市場も拡大していくとの見方を示した。

その一環としてアプトスは、オンチェーン注文板およびパーペチュアル取引所「デシベル(Decibel)」、AI向け分散型ストレージ基盤「シェルビー(Shelby)」を展開している。暗号資産(仮想通貨)メディア「ザ・ブロック(The Block)」によると、デシベルは今年2月にアプトスメインネット上で稼働を開始したという。なお、アプトス財団によると累計取引高は10億ドル(約1,570億円)を超えたとのこと。

アプトスは今回、機関投資家向け市場インフラについても重点的に言及している。

同財団によると、アプトス上のステーブルコイン時価総額は2024年後半以降で約10倍に拡大したという。また、トークン化された現実資産(RWA)は12億ドル(約1,884億円)規模に達しているとのこと。

また同財団は、ブラックロック(BlackRock)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、アポロ・グローバル(Apollo Global)などの大手資産運用会社が、アプトス上で現実資産(RWA)関連の取り組みを展開していると説明している。

さらに今後の開発項目として、暗号化メンプール(mempool)、FIX(Financial Information eXchange)およびCCXT(CryptoCurrency eXchange Trading Library)接続、機密パーペチュアル取引などを挙げた。

FIXは銀行やトレーディング企業が利用する金融メッセージ規格だ。またCCXTは暗号資産取引所向け標準接続ライブラリとして知られる。同財団は、これらをアプトスに対応させることで、機関投資家によるオンチェーン接続障壁を引き下げるとしている。

また暗号化メンプールでは、トランザクション内容をブロック確定まで秘匿することで、フロントランニングやMEVへの対策を行うという。

アプトスは技術面についても、並列実行やサブ秒ファイナリティに加え、耐量子署名へすでに対応済みである点を強調した。

同財団によると、米国立標準技術研究所(NIST)基準に準拠した耐量子署名をハードフォークなしで導入済みだという。

またセキュリティ面では、スマートコントラクト言語「ムーブ(Move)」により、資産複製やリエントランシー攻撃、不正アクセスなど特定カテゴリの脆弱性を設計段階で防止できるとしている。

アプトスは今回の発表について、オンチェーントレーディングおよびAI向け実行レイヤーとしての基盤強化を目的としたものだと説明している。

参考:ザ・ブロック
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。