ソラナ、量子耐性に向けた移行計画を公表。Falcon署名を有力候補に

ソラナが量子耐性に向けた移行計画を公表

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」を支援するソラナ財団(Solana Foundation)が、同ネットワークの量子耐性に関する準備状況と移行計画を4月27日に公式ブログで公表した。

ソラナ財団は、暗号を破れる規模の量子コンピューターについて、現時点では差し迫った脅威ではなく、実現はまだ数年先との認識を示した。一方で同財団は、ブロックチェーンの基盤となる暗号技術が将来的に破られる可能性を踏まえ、事前の準備が必要だとした。

ブロックチェーンでは、資産の所有や取引の正当性は「署名」によって証明される。ソラナの取引署名などに使われる署名方式は、現在、楕円曲線暗号に基づく仕組みを含むが、十分に性能の高い量子コンピューターが実現した場合、破られる可能性がある。

こうした前提のもと、ソラナ財団は量子コンピューターへの対応に向けた移行準備を進める方針を示した。

ソラナの技術開発を担うアンザ(Anza)と、バリデータークライアント「ファイアダンサー(Firedancer)」を開発するジャンプ・クリプト(Jump Crypto)は、それぞれ独立してポスト量子対応の研究を進めてきた。その結果、両チームは高スループットのブロックチェーンに適したコンパクトな署名方式が必要だと結論づけた。

両チームは、その候補として「ファルコン(Falcon)」と呼ばれるポスト量子デジタル署名方式を挙げた。両チームはすでに初期実装を構築済みだ。ファルコンは、ソラナの性能要件を踏まえた有力候補と位置づけられているが、現時点でプロトコルレベルの署名方式として正式採用されたわけではない。

ポスト量子署名方式は一般にデータサイズが大きくなる傾向にある。ソラナのような高速処理を前提とするネットワークでは、トランザクションごとのデータ増加が性能に影響する。このため、ファルコンのように比較的署名サイズの小さい方式が有力候補となる。

ソラナ財団は、量子対応に向けたロードマップも示した。同財団はまず研究を継続しつつ、ファルコンや代替案の評価を進める。そのうえで同財団は、量子コンピューターが現実的な脅威となった場合、新規ウォレットにポスト量子署名方式を導入し、最終的には既存ウォレットも段階的に移行する方針を示した。

こうした将来的な移行準備と並行し、ソラナエコシステム内でも量子耐性に関する取り組みが進む。ソラナエコシステムの開発チームであるブルーシフト(Blueshift)は、「ウィンターニッツ・ボールト(Winternitz Vault)」を提供している。ソラナ財団は、同仕組みが量子耐性への直接的な道筋を提供し、2年以上にわたり存在していると説明している。

ソラナ財団は、量子対応を継続的な取り組みと位置付ける。同財団は、研究、インフラ、エコシステムの連携を背景に準備が進展していると説明した。今後も進捗を順次共有する方針とのことだ。

参考:ソラナジャンプ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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