イーサリアム財団、約70,000ETHのステーキング開始。ビットワイズのOSSインフラ採用

イーサリアム財団が財務の一部をステーキング開始

イーサリアム(Ethereum)ネットワークの主要な運営組織であるイーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、財務の一部をステーキングする取り組みの開始を3月9日に発表した。同財団は最終的に約70,000ETH(現在の価格で1億4,000万ドル以上に相当)のステーキングを計画している。

この取り組みには、暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズアセットマネジメント(Bitwise Asset Management)のオンチェーンステーキング部門であるビットワイズオンチェーンソリューションズ(Bitwise Onchain Solutions:BOS)が開発・保守するソフトウェアが使用される。同財団は初期入金として2,016ETHから開始し、段階的にステーキング量を拡大していく予定だ。

ステーキングにあたり採用されたソフトウェアは、プロフェッショナルグレードのオープンソースインフラ?タイトルに合わせて ツールである「ダーク(Dirk)」と「ヴァウチ(Vouch)」の2つだ。これらのツールは、機関投資家レベルのステーキングにおいて最高水準のセキュリティ、運用の回復力、クライアントの多様性を提供するように設計されている。同ツールはもともと機関投資家向けステーキングサービスであるアテスタント(Attestant)チームが開発したものだ。なお同チームは2024年にビットワイズに買収されていた。

ダークは分散型署名者として機能し、複数の管轄区域にまたがって運用できるため、単一障害点によってバリデーションが中断されることを防ぐ。一方でヴァウチは複数のクライアントペアリングの使用をサポートし、高度な戦略を用いてネットワーク全体のクライアント多様性リスクを軽減する。

ビットワイズのオンチェーンソリューション責任者でアテスタントの共同創業者であるスリージス・ダス(Sreejith Das)氏は、「イーサリアム財団が自身の財務にこれらのツールを採用したことは、私たちの当初のビジョンとビットワイズでの継続的な取り組みの証明だ」と語った。またビットワイズの最高技術責任者であるホン・キム(Hong Kim)氏は、「イーサリアムネットワークの主要な管理者であるイーサリアム財団が、自身の財務にビットワイズの技術を選択したことは、当社にとって画期的な瞬間であり、当社のオンチェーンソリューションの品質の証だ」と述べている。

イーサリアム財団によるこれらのツールの採用は、利回りを生み出すだけでなく、基盤となるブロックチェーンの分散化、信頼性、セキュリティに貢献するステーキングソリューションへの機関投資家の需要が高まっていることを示している。ビットワイズは、より広範なイーサリアムエコシステムのためのオープンソース公共財としてダークとヴァウチの保守とアップデートを継続していくとのことだ。

この動向は、イーサリアムのステーキングエコシステムが急速に拡大している中で発生している。最新のデータによると、現在約3,760万ETHがステーキングされており、これは全流通供給量の30.2%に相当する。ネットワークは現在117万のバリデーターをサポートしており、2022年にプルーフオブステーク(PoS)へ移行して以来、ステーキングがイーサリアムの経済モデルの中核となったことを示している。

バリデーター数が増加しているにもかかわらず、ステーキング活動は依然として複数の主要プロバイダーに集中している。リキッドステーキングプロトコル「ライド(Lido)」は現在、ステーキングされたETHの最大シェアである22.9%を保持しており、860万ETHが預けられている。中央集権型取引所の「バイナンス(Binance)」や「コインベース(Coinbase)」、リステーキングプラットフォームの「イーサーファイ(Ether.fi)」も最大級のステーキングオペレーターの一角を担っている。

イーサリアムの通常の年間ステーキング利回りは約3〜4%であり、70,000ETHの割り当てはネットワークの状況に応じて年間2,000ETH以上の報酬を生み出す可能性がある。これまでイーサリアム財団は助成金やエコシステムファンディング、定期的な資産売却により開発を支えてきたが、ETH準備の一部をステーキングすることで、ネットワークのセキュリティ向上に貢献しつつ、定期的なステーキング報酬も得られるようになる。

参考:プレスリリース
画像:Ethereum

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。